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共同名義の不動産を売るときのトラブル事例と対処マニュアル
合意できなくても、進める道は必ずある。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック「兄弟で相続した実家が空き家のまま…」
「離婚後も家の名義は元配偶者と共有のまま…」
「自分が管理しているのに、なぜ売却できないのか…」
こうした悩みの多くは、“共有名義”の不動産が原因です。
共有名義とは、家や土地の所有者が複数人いる状態。
この不動産を売却・活用するには、基本的に共有者全員の同意が必要となります。
しかし、現実には「全員の合意」を得ることが難しく、時間ばかりが過ぎてしまうケースも少なくありません。
この記事では、実際に起きやすい共有名義のトラブル事例と、解決に向けた具体的な対処法をわかりやすく解説します。
〈背景〉
両親が亡くなり、兄弟3人で地方の一戸建てを相続。
長男Aさんと次男は「空き家だし、売却したい」と希望する一方で、
両親と同居していた三男が「思い出があるから手放したくない」と反対。
結果、何年も売却が進まず、固定資産税だけが積み上がる状態に。
〈解決アプローチ〉
このようなケースでは、感情が論点を曖昧にしてしまうことがよくあります。
・売却が必要な理由(税負担、管理、相続対策など)を整理して伝える
・第三者(司法書士や不動産コンサルなど)を交えた冷静な話し合いを設ける
・合意が困難な場合は、自分の持分だけを売却するという選択も検討する
〈背景〉
Bさん(女性)は10年前に離婚。家は元夫との共有名義のままで、住宅ローンも連帯債務。
生活が苦しくなり売却を希望したが、元夫が売却に非協力的で話し合いが進まない。
〈解決アプローチ〉
離婚後の共有名義は、感情的な対立が法的問題を複雑化させやすいです。
▼弁護士に相談し、以下の観点から整理することが必要です
・共有物分割請求(裁判による共有解消)
・任意売却などのローン処理方法
・自分の持分だけ売却する選択肢
〈背景〉
父の遺産で3人兄弟が土地を相続。
しかし、末弟は海外在住で音信不通。兄2人は売却したいが、同意が取れず停滞。
その間にも固定資産税が毎年10万円以上発生。
〈解決アプローチ〉
このようなケースでは、所在不明の共有者への対応がポイントです。
・家庭裁判所に「不在者財産管理人の選任」を申し立てることで、代理人を立てて手続きを進める
・自分たちの持分のみを売却することも可能(ただし専門業者の活用が必要)
▼解決の原則
①感情の整理には第三者の関与が有効
専門家が入ることで、冷静な話し合いの土台ができます。
②できること/できないことを法的に把握
感情論ではなく、法律上の対応可否を知ることが第一歩です。
③「持分だけ売る」選択肢も視野に入れる
全員の同意が難しい場合でも、自分の権利だけを動かすことは可能です。
以下は代表的なケースごとの判断目安です。
①全員が連絡可能で、冷静に話し合える場合
自力での解決が最も現実的。話し合いで売却や持分整理が進みやすいケースです。
②感情的な対立が深く、話し合いが平行線のままの場合
第三者を交えた協議が必要。司法書士・不動産コンサルの同席で前進することもあります。
③一部の共有者と連絡が取れない場合
家庭裁判所による「不在者財産管理人」の選任など、法的手続きが不可欠。自力での対応は困難です。
④合意が得られず、自分の持分だけでも処分したい場合
持分買取の専門業者を活用すれば、売却は可能。個人での買い手探しは現実的ではありません。
共有名義の不動産トラブルは、自然に解消されることはほとんどありません。
むしろ、年を重ねるほど相続や感情のもつれが複雑になり、放置がリスクを膨らませていきます。
・「話が平行線のまま動かない」
・「相手と関わるのがストレス」
・「維持費や税金の負担が限界」
そんな悩みを抱えているなら、まずは状況を整理することが第一歩です。
そして、どうしても難しいと感じたら、司法書士・弁護士・不動産会社など、専門家の力を借りることをためらわないでください。
行動すれば、解決の選択肢は思っているより多くあります。
少しの勇気と整理が、重荷を軽くし、前に進む力になるはずです。
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