
- Knowledge
家庭裁判所を活用した共有不動産の解決方法
「話が通じないなら、裁判所に整理してもらう。」
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック相続や離婚で共有名義となった不動産。整理しようとしても、
・話し合いに応じてもらえない
・売却に反対される
・連絡が取れない
といった壁にぶつかることは少なくありません。
放置すれば固定資産税などの負担が続き、将来的に家族へ問題を残す可能性もあります。
そのような状況を法的に整理する手段が、家庭裁判所の「共有物分割請求」です。
この記事では、その流れや注意点を、実例を交えて解説します。
「共有物分割請求」は、民法に基づく家庭裁判所の法的手続きで、共有状態を裁判所の判断で解消する仕組みです。
以下のようなケースで活用されます。
・話し合いによる解決が進まない
・一部の共有者が強く反対している
・他の共有者と連絡がつかない
任意での合意形成が難しい場合、法的に前へ進めるための最終手段といえます。
①申し立ての準備と提出
まず、管轄の家庭裁判所に以下の書類を提出します。
・申立書
・登記事項証明書
・固定資産税評価証明書
・共有者の情報リストなど
申立手数料は物件の評価額に応じて数千円~数万円。印紙代や郵便切手代も別途必要です。
②調停による話し合い
裁判所で調停が設けられ、共有者同士が合意に至ることを目指して話し合いが行われます。
③調停不成立の場合は審判へ
調停で合意が得られなかった場合、裁判所が以下のいずれかの方法を決定します。
・現物分割:物理的に土地などを分ける
・代償分割:1人が他の共有者の持分を買い取る
・換価分割:物件を競売にかけて現金化し分配する
④分割・解決
特に多いのが換価分割(競売)です。
市場価格よりも安く売却されることが多いものの、現金化して持分に応じて配分されるため、問題の整理にはつながります。
▼兄弟間で意見が対立した相続土地
両親から相続した土地を兄弟3人で共有していたケース。
次男が「売却は絶対反対」と主張し話し合いが進まなかったため、長男と三男が家庭裁判所に共有物分割請求を行いました。
結果、裁判所の判断により競売が実施され、約800万円で売却。諸費用を差し引いた残額が3人に分配され、問題は解消されました。
<メリット>
・共有者との話し合いが不成立でも解決できる
・長年放置された不動産問題を法的に整理できる
・現金化でき、資産として再活用できる
<デメリット>
・解決までに半年〜1年以上かかる場合もある
・弁護士費用や裁判費用が発生する
・競売の場合、市場価格より安く売却されることが多い
①自分の持分だけを売却する
民法第249条に基づき、共有不動産のうち自分の持分だけなら単独で売却可能です。
共有持分専門の買取業者に相談すれば、将来的な全体の整理も視野に入れた提案を受けられる可能性があります。
②共有者との再交渉を試みる
弁護士や不動産の専門家を間に入れることで、当事者間では困難だった話し合いがスムーズに進む場合もあります。
感情的な衝突を避けつつ、任意の解決に導ける可能性が高まります。
・「家庭裁判所を使うのは大げさでは?」
・「そもそも自分のケースで使える手段なのか?」
・「ほかにできることはあるのか?」
このように悩んでいる方は、まずは弁護士や共有名義に強い専門業者に相談してみましょう。
専門家の視点で状況を整理してもらうことで、使える制度や想定されるリスクと対策
が明確になり、より納得のいく選択ができるようになります。
共有名義の不動産は、話し合いだけでは前に進まないこともあります。
放置することで、税金や管理の負担が続くだけでなく、相続トラブルとして次世代に重くのしかかる可能性もあります。
そんなときに有効なのが、家庭裁判所による「共有物分割請求」です。
手続きには時間や費用がかかるものの、確実に共有関係を整理し、問題の根本解決につなげることができます。
まずは焦らず、自分にとって最も適した選択肢は何かを知るところから。
その第一歩として、専門家に相談することが、後悔のない未来への近道です。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック