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不動産登記法:敷地権表示と所有権保存登記の関係性~法74条1項1号と2項申請の違いを徹底解説~

【背景】
不動産登記の勉強をしています。敷地権(他人の土地の一部を自分の土地のように利用する権利)の表示がある土地の登記について疑問がでてきました。

【悩み】
敷地権の表示がある登記の表題部所有者が所有権の保存登記(所有権を登記簿に初めて記録すること)をする場合、必ず「法74条1項1号申請」になるのでしょうか?表題部所有者が「法74条2項申請」(敷地権に効力を及ぼす登記)をすることはできないのでしょうか?法律の条文を読むだけでは理解が難しく、困っています。

必ずしも「法74条1項1号申請」とは限りません。状況により「法74条2項申請」も可能です。

回答と解説

1. 不動産登記法と敷地権の基礎知識

不動産登記法は、不動産の所有権などの権利関係を公的に記録し、その権利の安全を確保するための法律です。(登記簿に記録することで、権利の明確化と保護を図ります) 敷地権とは、他人の土地の一部を、自分の土地のように使用・収益する権利です。(例:隣地の通路として利用する権利など) この権利は、登記簿に表示されます。

2. 今回のケースへの直接的な回答

表題部所有者(登記簿上の所有者)が所有権の保存登記をする場合、必ずしも「法74条1項1号申請」とは限りません。「法74条2項申請」も可能です。どちらの申請方法を選択するかは、敷地権の内容と所有権取得の経緯によって異なります。

3. 不動産登記法第74条の解説

不動産登記法第74条は、所有権以外の権利(例:敷地権、地上権など)に影響を与える登記について規定しています。

* **1項1号:** 所有権の保存、移転、変更などの登記で、他の権利に影響を与えない場合に適用されます。敷地権の存在を承知の上で、所有権登記を行う場合に該当します。
* **2項:** 所有権の登記が、他の権利(例えば敷地権)に影響を与える場合に適用されます。敷地権を消滅させる、または変更する場合などに該当します。

4. 誤解されがちなポイントの整理

「敷地権の表示がある=必ず法74条1項1号申請」という誤解が多いです。敷地権の存在を無視して所有権登記を行うことはできません。しかし、敷地権を消滅させる意思がない場合は、1項1号申請で済みます。逆に、敷地権を消滅させたい、または変更したい場合は、2項申請が必要となります。

5. 実務的なアドバイスや具体例の紹介

例えば、AさんがBさんの土地の一部に敷地権を設定し、その後Aさんがその土地の所有権を取得した場合を考えてみましょう。

* **ケース1:Aさんが敷地権を維持したい場合:** Aさんは、法74条1項1号申請で所有権の保存登記を行い、敷地権はそのまま存続します。
* **ケース2:Aさんが敷地権を消滅させたい場合:** Aさんは、Bさんと合意の上で、法74条2項申請で所有権の保存登記を行い、敷地権を消滅させます。この場合、Bさんの同意が必須となります。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

登記手続きは複雑で、誤った申請を行うと、権利関係に問題が生じる可能性があります。敷地権の有無や、所有権取得の経緯が複雑な場合は、司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、適切な申請方法を選択し、手続きをスムーズに進めるお手伝いをします。

7. まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

敷地権表示のある土地の所有権保存登記は、必ずしも法74条1項1号申請とは限りません。敷地権の存続、消滅、変更といった状況に応じて、法74条1項1号または2項を適切に選択する必要があります。専門家の助言を得ながら、正確な手続きを行うことが重要です。 不明な点があれば、司法書士などの専門家に相談しましょう。

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