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【不動産登記】3名への共有譲渡後、1名のみへの売却と単独名義登記…B、Cは権利回復できる?
共有持分についてお困りですか?
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* Aさんが所有する建物を、Bさん、Cさん、Dさんの3名に譲渡することになりました。
* 譲渡後、建物の所有権は3名で共有し、それぞれ3分の1ずつ持分を持つことになっていました。
* しかし、DさんがAさんと勝手に話し合って、AさんからDさんへの売買契約を結び、Dさん単独名義での所有権移転登記(=所有権をDさん1人に変更する登記)をしてしまいました。
【悩み】
AさんがDさんだけに売却してしまい、Dさんが単独名義の登記をしてしまったことで、BさんとCさんは権利を回復できるのかどうかが分かりません。テキストでは権利回復できると書いてあるのですが、なぜそうなるのか理解できません。
B、Cは、Dの登記を無効として、権利回復請求できます。
不動産の所有権の移転や設定(抵当権など)といった重要な権利関係の変更は、登記所(法務局)に登記することで、初めて第三者に対抗できるようになります(登記の対抗要件)。 登記されていない権利は、たとえ権利が成立していても、善意でかつ無過失の第三者には対抗できません。
共有とは、複数の者が同一の不動産を共同で所有することです。今回のケースでは、AさんからB、C、Dの3名への共有譲渡が予定されていました。共有持分は、各人が所有する割合を示し、このケースでは3分の1ずつです。
B、Cさんは、Dさんの行為によって権利を侵害されています。なぜなら、AさんからB、C、Dへの共有譲渡の約束があり、それに基づいて登記がなされる予定だったからです。DさんがAさんと単独で売買契約を結び、単独名義の登記を行った行為は、B、Cさんの権利を無視した不当な行為です。
そのため、B、Cさんは、Dさんに対して、Dさん名義の登記の無効確認と、共有持分の回復を求める訴訟(権利回復請求)を起こすことができます。
このケースは、民法(特に共有に関する規定)と不動産登記法が関係します。民法は、共有関係や共有者の権利義務を規定し、不動産登記法は、不動産の権利関係を登記によって公示する制度を定めています。 Dさんの行為は、民法上の共有関係に反する行為であり、B、Cさんの共有持分を侵害しています。
誤解されやすいのは、「登記されたから、それが真実の権利関係だ」と考える点です。登記は権利関係を公示するものであり、必ずしも真実の権利関係を反映しているとは限りません。 今回のケースでは、AさんとB、C、Dの間で共有譲渡の合意があり、それが登記されていないだけで、B、Cさんにも権利があったのです。Dさんの登記は、この合意を無視した不当な登記であるため、無効と判断される可能性が高いです。
B、Cさんは、まず、弁護士や司法書士に相談し、Dさんに対して権利回復請求の訴訟を起こすことを検討すべきです。訴訟では、AさんとDさんとの間の売買契約が無効であること、B、Cさんにも共有持分があることを主張する必要があります。 証拠としては、Aさんとの間の譲渡契約書(もしあれば)、証人証言などが必要となるでしょう。
不動産登記や民法に関する知識は専門的であり、素人が対応するのは困難です。 権利回復請求の訴訟は複雑な手続きを伴い、専門家の助言なしに適切な対応をするのは難しいです。 弁護士や司法書士は、法律的な知識と経験に基づいて、最適な戦略を立て、手続きを進めてくれます。
* 不動産の所有権は、登記によって初めて第三者に対抗できる。
* 共有関係において、他の共有者の権利を無視した行為は、無効とされる可能性が高い。
* 不動産に関する紛争は複雑なため、専門家への相談が不可欠です。
このケースでは、Dさんの行為は、B、Cさんの権利を侵害する不当な行為であり、B、Cさんは権利回復請求を行うことができます。 しかし、法律的な手続きは複雑なため、専門家である弁護士や司法書士に相談することが重要です。 早めの相談が、権利回復の可能性を高めることに繋がります。
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