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【二世帯住宅の離婚と財産分与】ローン残債と居住期間、評価額を踏まえた公平な解決策とは?

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妻は、今まで支払ってきたローンの半分を現金で請求してきました。私は、自分も住んでいたのにそれは不公平だと感じています。家を売却して現金化し、半分ずつ分けるのが理想ですが、父も住んでいるため難しいです。不動産屋に評価額を査定してもらい、その額を妻に支払うのが正しい方法なのでしょうか?
離婚の際に、夫婦が共有する財産をどのように分けるかを定めるのが「財産分与」です。 二世帯住宅の場合も、他の不動産と同様に、財産分与の対象となります。 財産分与は、原則として婚姻期間中の夫婦の共有財産(夫婦が共同で築き上げた財産)を、離婚時に公平に分割することを目的としています。 共有財産には、不動産(土地・建物)、預金、株式など様々なものが含まれます。
ご質問のケースでは、妻がローン返済への貢献を主張し、その半分を請求している点がポイントです。 しかし、単にローンの支払額の半分を支払うだけでは、公平な財産分与とは言えません。 重要なのは、二世帯住宅全体の**時価(市場価値)**を不動産鑑定士などに評価してもらい、その評価額を基に財産分与を行うことです。 ローン残債は、評価額から差し引いた上で、残りの金額を夫婦で分割するのが一般的です。 さらに、婚姻期間中の居住期間や、家への貢献度なども考慮される場合があります。
民法第760条以下に規定されている「財産分与」が関係します。 この法律に基づき、裁判所は夫婦の状況を考慮して、公平な財産分与の方法を決定します。 協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てたり、訴訟を起こすことも可能です。
* **ローンの支払額のみが重要ではない:** ローンの返済額は、財産分与の判断材料の一つに過ぎません。 住宅の評価額、婚姻期間、各々の貢献度などを総合的に考慮する必要があります。
* **居住権の有無:** ご両親が居住しているため、売却が難しいという状況は、財産分与の方法に影響します。 売却をせずに、妻がその分の金銭を受け取る方法(例えば、ご両親が妻に慰謝料を支払うなど)も検討できます。
* **評価額の算定:** 不動産会社の査定はあくまで参考です。 正確な評価額を知るためには、不動産鑑定士による鑑定が望ましいです。
まず、不動産鑑定士に依頼して二世帯住宅の評価額を正確に算定しましょう。 その上で、妻と話し合い、合意を目指します。 合意に至らない場合は、弁護士に相談し、調停や裁判を検討しましょう。 例えば、評価額が1000万円で、ローン残債が300万円の場合、残りの700万円を夫婦で分割することになります。 さらに、妻が婚姻期間中に家計に貢献した分や、家事育児に専念した分の慰謝料を請求することも可能です。
協議が難航したり、法的な知識が不足している場合は、弁護士や司法書士に相談することが重要です。 専門家は、適切な財産分与の方法をアドバイスし、手続きをサポートしてくれます。 特に、ご両親の居住権や、複雑な財産状況がある場合は、専門家の助言が不可欠です。
二世帯住宅の財産分与は、住宅の評価額、ローン残債、婚姻期間、各々の貢献度などを総合的に考慮して行う必要があります。 単にローンの支払額の半分を支払うだけでは不公平な場合が多いです。 協議が難航する場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。 公平な解決のためには、正確な情報に基づいた冷静な判断と、必要に応じて専門家の力を借りることが重要です。
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