【令和元年度確定申告】農地購入！確定申告の正しい処理方法と税金対策を徹底解説

１．農業における確定申告の基礎知識

確定申告とは、1年間の所得を税務署に申告し、税金を納める手続きです。農業所得がある方は、原則として毎年確定申告が必要です。農業所得とは、農業経営から得られた利益のことです。農地購入は、農業経営の基盤となる重要な投資です。そのため、その費用処理を正しく行うことが、正確な所得計算と適正な納税に繋がります。

２．農地購入代金の処理方法

農地購入代金は、一括で費用として計上するのではなく、減価償却（減価償却資産の価額を、その耐用年数に応じて毎年少しずつ費用として計上すること）の対象となります。これは、農地が長期間にわたって農業経営に利用されるため、その価値が一度に消失するわけではないからです。

３．農地購入にかかる費用とそれぞれの科目

農地購入には、様々な費用がかかります。主な費用と、確定申告における科目は以下の通りです。

• 農地購入代金：減価償却資産（償却資産）
• 登録免許税：租税公課
• 仲介手数料：支払手数料
• 測量費用：支払手数料
• 登記費用：支払手数料

「減価償却資産」は、建物や機械設備のように、一定期間使用することで価値が減少していく資産のことです。農地も、長期間の使用によって徐々に価値が減少していくため、減価償却資産として扱われます。一方、「租税公課」は、国や地方自治体に支払う税金や料金のことです。登録免許税は、土地の所有権移転の際に支払う税金なので、租税公課に該当します。「支払手数料」は、仲介業者への手数料や登記費用など、取引に伴って支払う手数料です。

４．農地の耐用年数と償却方法

農地の耐用年数は、法令で定められています。耐用年数によって、毎年計上する償却費の金額が異なります。償却方法は、定額法や定率法などいくつかの方法がありますが、農地の場合は通常、定額法（耐用年数を均等に分割して償却する方法）が用いられます。

５．誤解されがちなポイント：土地と建物の違い

農地と農地にある建物は、それぞれ減価償却資産として扱われますが、耐用年数や償却方法が異なります。農地は前述の通りですが、建物は建物の種類によって耐用年数が異なります。この違いを理解せずに処理すると、税金の計算が間違ってしまう可能性があります。

６．実務的なアドバイスと具体例

例えば、1,000万円の農地を購入し、耐用年数を40年とすると、年間の償却費は25万円（1,000万円 ÷ 40年）となります。この償却費を、農業所得の計算において経費として計上します。 各費用を正しく仕訳し、帳簿に記録しておくことが重要です。会計ソフトの利用も有効です。

７．専門家に相談すべき場合

農地の購入や確定申告は、税法に関する専門知識が必要となる場合があります。土地の評価額や償却方法、その他の税務上の処理に不安がある場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。特に、高額な農地を購入した場合や、複雑な取引があった場合は、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

８．まとめ

農地購入にかかる費用は、それぞれの性質に応じて適切な科目へ計上する必要があります。特に農地購入代金は減価償却資産として処理し、耐用年数に基づいて償却費を計上することが重要です。専門家の力を借りながら、正確な申告を行いましょう。不明な点があれば、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。