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【相続】30年前から実家住まいの兄弟、特別受益は発生する?土地・建物の使用で生じる利益の算定方法を徹底解説

【背景】
* 実父が30年前に亡くなりました。
* 8人兄弟のうちの3男の兄が、実父が建てた自宅に結婚後も同居し続けています。
* 生計は別で、実父は長男が家を継ぐことを望んでいましたが、3男は家を出ていきませんでした。
* そのため、長男は別の家に住むことになりました。
* 現在、3男は実父名義の土地と建物に住み続けています。

【悩み】
30年前に亡くなった実父名義の土地と建物を、3男が現在も使用していることによる特別受益を、相続においてどのように算定すれば良いのか分かりません。固定資産税は3男が支払ってきたと言っています。

3男の居住による特別受益は、相続開始時の建物価格を基に算定可能。土地の利用は、状況次第。

相続と特別受益:基礎知識

相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律上の承継者)に承継されることです。相続財産には、預金や不動産だけでなく、債権や債務も含まれます。

特別受益とは、相続開始前に被相続人から相続人に対して、他の相続人よりも多く財産を受け取っていた場合を指します。例えば、生前に多額の贈与を受けた場合や、今回のように、不動産を無償で長期間使用した場合などが該当します。特別受益は、相続財産の分割において考慮され、他の相続人の相続分を調整する際に重要になります。

今回のケースへの直接的な回答

今回のケースでは、3男は相続開始時(30年前)から実父名義の土地と建物を無償で使用してきました。この建物使用は、特別受益に該当する可能性が高いです。

特別受益の算定は、相続開始時の建物の時価(800万円)を基準に行われます。ただし、30年経過し、建物の価値がゼロになっているとしても、相続開始時の価値を考慮する必要があるでしょう。土地については、無償で利用してきた期間と、その土地の賃料相場などを考慮して、特別受益として算定するかどうかを判断する必要があります。

関係する法律や制度

民法が相続に関する基本的なルールを定めています。特に、民法第900条(相続分)や民法第907条(遺留分)などが、相続財産の分割や特別受益の調整に関連します。

誤解されがちなポイントの整理

* **固定資産税の支払いは特別受益ではない**: 3男が固定資産税を支払っていたとしても、それは特別受益の算定に直接影響しません。固定資産税は、土地や建物を所有している者(この場合は、相続開始時点では被相続人、相続開始後は相続人全員)が納める税金です。
* **生計が別でも特別受益は発生する**: 3男と被相続人の生計が別であったとしても、無償で不動産を使用していた期間が長ければ、特別受益が発生する可能性があります。
* **建物の価値がゼロでも特別受益は考慮される**: 建物の耐用年数が経過し、現在価値がゼロであっても、相続開始時の価値を基に特別受益を計算する必要があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

特別受益の算定は、専門家(弁護士や税理士)に依頼するのが一般的です。相続開始時の建物の時価を正確に算定し、土地の利用についても適切な評価を行う必要があります。専門家は、過去の取引事例や不動産鑑定士の意見などを参考に、客観的な評価を行います。

例えば、相続開始時の建物の時価が800万円だった場合、8人兄弟であれば、一人当たり100万円の相続分となります。3男が800万円分の特別受益を受けていたと判断されれば、相続分はゼロとなり、他の兄弟がその分を多く相続することになります。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続は複雑な手続きを伴い、争いが発生しやすい分野です。特に、特別受益の算定は、専門的な知識と経験が必要となるため、専門家に相談することを強くお勧めします。

専門家への相談は、相続トラブルを未然に防ぎ、円滑な相続を進める上で非常に有効です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

30年間無償で使用してきた土地と建物は、特別受益として評価される可能性が高く、相続開始時の建物の価値を基準に算定されます。土地の利用についても、状況に応じて評価される可能性があります。相続問題に精通した専門家への相談が、円満な相続を実現するための近道です。複雑な相続問題では、専門家の助言を仰ぐことを強く推奨します。

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