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【相続と配偶者居住権】共有不動産における配偶者居住権設定の可能性と注意点|父が亡くなり、母への居住権設定は可能?

【背景】
* 私の父と母は、敷地と建物を共有で所有していました。
* 2020年4月以降に父が亡くなり、相続が発生しました。
* 父の共有持ち分を私(子)が相続することになりました。
* 母には、敷地と建物にそれぞれ共有持ち分があります。

【悩み】
母に、敷地と建物の両方について配偶者居住権を設定し、登記することは可能でしょうか? 母にも共有持ち分がある場合、配偶者居住権の設定は可能なのかどうかが分からず、困っています。

可能です。ただし、条件があります。

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

まず、重要な用語を説明します。「配偶者居住権」とは、民法(日本の法律)で定められている権利で、離婚時などに、婚姻関係解消後も一定期間、夫または妻が、かつての婚姻関係中に居住していた家屋(建物)に住み続けることができる権利です。 相続においては、配偶者が相続によってその家の所有権を失った場合でも、配偶者居住権を設定することで、引き続き住み続けることができます。

「共有」とは、複数の者が一つの不動産を所有することです。今回のケースでは、父と母が敷地と建物を共有していました。相続によって、子が父の共有持ち分を相続するため、子が所有者となり、母は引き続き共有者となります。

今回のケースへの直接的な回答

はい、可能です。 父が亡くなり、子が父の共有持ち分を相続した場合でも、母に配偶者居住権を設定することは可能です。ただし、配偶者居住権は、所有権とは別の権利であることを理解しておく必要があります。つまり、母は所有権の一部を有しつつ、配偶者居住権によって、その建物に住み続ける権利を持つことになります。

関係する法律や制度がある場合は明記

民法第898条の2に、配偶者居住権に関する規定があります。この条文に基づき、配偶者居住権の設定が可能です。 ただし、設定には、所有者(このケースでは、子と母)全員の同意が必要です。

誤解されがちなポイントの整理

よくある誤解として、「配偶者居住権を設定すれば、その家は母の所有物になる」という点があります。 配偶者居住権は、居住権のみを保障する権利であり、所有権とは別物です。母は、建物を自由に売却したり、改築したりすることはできません。所有権は、子と母が共有しています。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

配偶者居住権の設定には、必ず司法書士などの専門家の力を借りましょう。 登記手続きは複雑で、わずかなミスが大きな問題につながる可能性があります。 専門家であれば、適切な書類作成や登記申請をサポートしてくれます。 また、母と子の間で、居住権の範囲や期間などを明確に合意しておくことが重要です。例えば、「母は亡くなるまで居住できる」「母が再婚した場合、居住権は消滅する」といった条件を、事前に書面で取り決めておくことが望ましいです。

専門家に相談すべき場合とその理由

* 母と子の間で、配偶者居住権の設定内容について意見が合わない場合。
* 相続手続きに不慣れで、手続き方法がわからない場合。
* 他の相続人との間で、相続に関する紛争が発生している場合。
* 敷地や建物の価値や、将来的な売却の可能性などを考慮する必要がある場合。

これらの場合は、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぎ、円滑な相続手続きを進めることができます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 配偶者居住権は、所有権とは別の権利です。
* 母に配偶者居住権を設定することは可能です。
* 設定には、所有者全員(子と母)の同意が必要です。
* 専門家(司法書士など)に相談することが重要です。
* 居住権の範囲や期間などを明確に合意しておくことが大切です。

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