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【相続対策】父親名義の実家を弟へ円滑に移す方法|代償分割と生前贈与の解説
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両親が、将来祖父の自宅に引越す予定なので、相続時に円滑に実家(父親の名義の一戸建)を弟の名義にしたいと検討しています。自分と妹は、仕事の都合で実家から遠く離れており管理ができない状態である事、弟は実家から職場に通勤している事が理由です。
検討
本やネットを調べてみると、相続関係者全員の同意を取り付け、弟が実家を相続、代わりに弟が他の相続者に相応の金額を支払う「代償分割」をすれば相続時に問題が生じないと考えています。そのやり方について、以下のように考えています。
①各自が不動産業者に実家の価格算定依頼、その平均値を算出
②弟が実家を相続する代わりに①の価格に従い必要な費用を支払う旨を遺産協議書に記載
③遺産協議書を持って公証役場に行き認証、保管
手続きやそれに要する費用等詳しくないので、ご教授お願いします。
また、実家については、近いうちに水回り等のリフォームの必要があるので、生前贈与として行う方法があれば合わせてご教授お願いします。
家族構成
父、母、自分、弟、妹
不動産
実家:築25年の一軒家、名義は父親、土地の価値のみだと以前は700万位と言われた気がします。
まず、相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(不動産、預金、株式など)が相続人に引き継がれることです。相続人は、法律で定められた順位(民法第889条)に従って決定されます。今回のケースでは、父親が亡くなった場合、配偶者である母親と、質問者、弟、妹が相続人となります。
代償分割とは、相続人が相続財産を自由に分け合う方法の一つです。全員の同意があれば、特定の相続人が特定の財産を相続し、他の相続人に対して、その財産の価額相当額を支払うことができます。質問者さんの考えられている方法は、この代償分割を利用した相続対策です。
質問者さんの計画は、大筋では正しいアプローチです。しかし、いくつかの点をより詳細に検討する必要があります。
不動産の評価は、専門の不動産鑑定士に依頼するのが最も正確です。複数の業者に依頼するのも良い方法ですが、鑑定士による評価の方が法的にも信頼性が高く、後々のトラブルを防ぐことに繋がります。
遺産協議書には、相続財産の明確なリスト、相続人の氏名・住所、それぞれの相続分、代償分割の内容(誰がどの財産を相続し、いくら支払うか)などを詳細に記載する必要があります。専門の法律家(弁護士や司法書士)に作成を依頼することを強くお勧めします。曖昧な表現は、後々トラブルの原因となります。
遺産協議書を公証役場で認証してもらう(公正証書にする)ことで、法的効力が強まり、将来的な紛争リスクを軽減できます。公正証書の作成には費用がかかりますが、相続トラブルを回避する上での保険と考えて良いでしょう。
今回のケースでは、民法(特に相続に関する規定)が関係します。特に、代償分割に関する規定は、相続人の全員の合意が必須であることを定めています。また、相続税の申告についても、税理士などの専門家のアドバイスが必要となるでしょう。
不動産の評価額は、必ずしも過去の査定額通りになるとは限りません。市場の状況や建物の状態によって変動するため、最新の評価額を正確に把握することが重要です。また、代償分割は、相続税の計算にも影響します。税理士に相談し、節税対策を検討することが必要です。
まず、父親と母親に、この計画について十分に話し合い、同意を得ることが重要です。次に、信頼できる不動産鑑定士と弁護士、税理士に相談し、専門家のアドバイスを受けながら進めてください。費用はかかりますが、トラブルを未然に防ぐためには不可欠な投資です。
リフォーム費用を考慮し、生前贈与を行うことも可能です。生前贈与は、相続税対策にもなりますが、贈与税の申告が必要になります。贈与税の非課税枠(年間110万円)を考慮し、計画的に贈与を行う必要があります。
相続や不動産に関する手続きは複雑で、専門知識が必要です。少しでも不安な点があれば、弁護士、司法書士、税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを回避し、円滑な相続を実現できます。
父親名義の実家を弟に円滑に移すには、代償分割と生前贈与を組み合わせた対策が有効です。しかし、正確な不動産評価、詳細な遺産協議書の作成、公正証書の作成、税務上の配慮など、専門家の協力を得ながら慎重に進めることが重要です。早めの準備と専門家への相談が、将来のトラブルを防ぎ、円満な相続を実現するための鍵となります。
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