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【相続放棄と実家の行方】配偶者・子なき兄の死後、実家と田畑を相続放棄したらどうなる?弟が住み続ける方法は?

【背景】
* 配偶者も子供もいない兄が亡くなりました。
* 兄名義の実家の家屋と周りの田畑に、兄は一度も住んだことがありません。
* 弟が実家で生活し、固定資産税を支払っています。
* 高齢の母は施設に入居しており、住所は施設となっています。
* 母には相続権がありますが、相続放棄を検討しています。

【悩み】
兄の相続放棄をしたら、実家の家屋と田畑は国のものになるのでしょうか?お金がない弟が、住み続けることは可能でしょうか?大変困っています。

相続放棄後も、手続き次第で住み続ける可能性はあります。

相続放棄と所有権の帰属

まず、相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産(ここでは家屋と田畑)が、相続人(ここでは質問者様の兄の兄弟姉妹)に引き継がれることです。相続放棄とは、この相続権を放棄することです。

相続放棄をすると、相続人は被相続人の財産を一切相続しません。 しかし、これは「相続人が財産を受け取らない」という意味であって、「財産が消滅する」という意味ではありません。

相続人が誰も相続をしない場合、相続財産は「国庫に帰属する」という誤解がありますが、これは正確ではありません。実際には、相続財産は、法律に従って処理されます。具体的には、相続放棄後、相続順位に従って次の相続人が相続することになります。もし、次の相続人も相続放棄をすれば、そのまた次の相続人に移り、最終的に相続人がいなくなれば、国庫に帰属することになります。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様のケースでは、お母様にも相続権があります。お母様が相続放棄をされた場合、次に相続順位にある方が相続人となります。その方が相続を放棄すれば、さらに次の相続人に移行していきます。

弟さんが住み続けるためには、お母様や他の相続人が相続を承諾し、弟さんに家屋と田畑を売却するか、贈与するか、もしくは相続によって弟さんが所有者になる必要があります。相続放棄によって、すぐに国有財産になるわけではありません。

民法と相続

日本の相続に関する法律は、主に民法(特に第885条以降)に規定されています。この法律では、相続人の順位や相続放棄の手続き、相続財産の処理などが詳しく定められています。

誤解されがちなポイントの整理

「相続放棄=財産が消滅する」という誤解は非常に多いです。相続放棄は、相続人が相続権を放棄するだけで、財産そのものが消滅するわけではありません。

また、「国庫に帰属する」という表現も、正確には「最終的に相続人がいなくなった場合に国庫に帰属する」という意味です。すぐに国が所有権を取得するわけではありません。

実務的なアドバイスと具体例の紹介

弟さんが住み続けるためには、以下の選択肢が考えられます。

* **相続承諾後、相続財産を分割する:** お母様と弟さんで話し合い、家屋と田畑をどのように分けるかを決めます。弟さんが家屋と田畑を相続する、もしくは購入する形が考えられます。
* **相続放棄後、他の相続人が承諾し、弟さんに売却・贈与する:** お母様以外の相続人が相続を承諾し、弟さんに家屋と田畑を売却または贈与する形です。この場合、売買契約や贈与契約が必要になります。
* **相続放棄後、競売にかける:** 相続人が誰も相続を承諾しない場合、家屋と田畑は最終的に競売にかけられる可能性があります。弟さんが競売に参加し、落札することで所有権を取得できます。ただし、競売では高値で落札される可能性も低く、競争相手もいるため、必ずしも弟さんが落札できるとは限りません。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続は複雑な手続きを伴うため、専門家である弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。特に、複数の相続人がいたり、相続財産に複雑な事情があったりする場合は、専門家のアドバイスが不可欠です。

  • 相続放棄の手続き方法
  • 相続財産の評価方法
  • 相続税の計算方法
  • 売買や贈与に関する契約
  • 競売に関する手続き

これらの手続きは法律の知識が必要であり、間違えると大きな損失につながる可能性があります。

まとめ

相続放棄は、相続人が相続権を放棄する手続きであり、財産が消滅するわけではありません。弟さんが住み続けるためには、相続承諾、売買、贈与、競売など、様々な方法が考えられます。状況によっては、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが重要です。相続に関する手続きは複雑なため、専門家の適切なアドバイスを受けることで、円滑な相続を進めることができます。

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