【相続放棄後の名義変更】継母名義の土地に建つ住宅の名義変更は贈与?売買?費用や手続きを徹底解説!
質問: 住宅の名義変更等についての質問です。養子縁組はしていない継母名義の土地に建つ9年前に他界した父と私との持ち分半々の住宅があります。(相続については私や兄弟は全て放棄していますが父から継母への名義変更はしていません。)事情があり、この住宅の名義を全て継母へ変更したいと考えています。この場合は贈与として扱うのか、売買として扱うのかよく分かりません。どちらの方法も選択できるとした場合は手間や費用面等を勘案してどちらが良いのかを何方か御教授願えればと思い質問致しました。よろしくお願い致します。
贈与と売買、どちらでも可能ですが、状況を鑑みると贈与が有利です。
1.相続放棄後の名義変更手続きの概要
ご質問は、相続放棄後、ご自身が所有する住宅の持ち分を継母へ移転する方法についてですね。 相続放棄済みとはいえ、ご質問の住宅は、お父様とご質問者様の共有財産です。 その共有財産を継母へ移転するには、大きく分けて「贈与」と「売買」の2つの方法があります。
2.贈与と売買の違い
- 贈与:無償で財産を譲渡することです。贈与税の対象となります。(贈与税:財産を無償で贈与した場合に課税される税金)。
- 売買:対価(お金)を支払って財産を譲渡することです。不動産売買契約を結び、売買代金を支払う必要があります。不動産取得税(不動産取得税:不動産を取得した際に課税される税金)と登録免許税(登録免許税:不動産の権利移転登記を行う際に課税される税金)が発生します。
3.今回のケースにおける最適な方法
今回のケースでは、継母への名義変更を希望されているとのことですので、贈与が最も適切と考えられます。売買を選択した場合、継母は代金を支払う必要があり、親子関係にある場合でも、その金額を巡るトラブルに発展する可能性があります。贈与であれば、そのようなトラブルを回避できます。
4.贈与する場合の手続きと費用
贈与する場合、以下の手続きが必要です。
- 贈与契約書の作成:公正証書(公正証書:公証役場が作成する、法的効力が高い文書)で作成することをお勧めします。トラブル防止に繋がります。
- 贈与税の申告:贈与税の申告が必要です。贈与額が一定額を超える場合、税金が発生します。税額は贈与額、相続税の基礎控除額(相続税の基礎控除額:相続税が課税されない一定の金額)、そして贈与税の税率によって異なります。
- 所有権移転登記:法務局で所有権移転登記を行います。登記費用が発生します。
5.売買する場合の手続きと費用
売買の場合、以下の手続きが必要です。
- 売買契約書の作成:こちらも公正証書で作成することをお勧めします。
- 不動産取得税の申告:継母は不動産取得税を納付する必要があります。
- 登録免許税の納付:所有権移転登記に必要な費用です。
- 売買代金の支払い:ご質問者様から継母へ売買代金を支払う必要があります。
6.贈与と売買の費用比較
贈与と売買では、発生する税金の種類や金額が異なります。贈与の場合は贈与税、売買の場合は不動産取得税と登録免許税です。どちらが費用的に有利かは、住宅の評価額や贈与税の税率、不動産取得税の税率などによって変わってきます。しかし、親子間での売買は、税金以外にも、売買代金の金額設定やその支払いを巡るトラブルのリスクがあります。
7.まとめ
相続放棄後、継母への名義変更は贈与が最も現実的かつ安全な方法です。ただし、贈与税の申告が必要となるため、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。売買を選択する場合は、税金だけでなく、親子間での金銭トラブルのリスクも考慮する必要があります。 ご自身の状況を踏まえ、専門家のアドバイスを受けて最適な方法を選択してください。