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【相続法入門】共同相続における遺産分割と権利行使:4つのケースで学ぶ相続の基礎知識
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おすすめ3社をチェック1.共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、ほかの共同相続人は、遺産の分割が終了するまでの間であればいつでも、当該第三者に対してその価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
2.共同相続人の一人が遺産である現金を相続開始時に保管していたときは、当該現金を保管していた相続人に対し、自己の相続分の割合に応じた額の金銭の支払いを請求できる。
3.共同相続人の一人が遺産分割により遺産である不動産の所有権全部を取得したときであっても、他の共同相続人は、相続開始から遺産の分割までの間に当該不動産から生じた賃料債権をその相続分に応じて取得する。
4.被保佐人である共同相続人の一人が、保佐人の同意を得ることなく協議で遺産の分割をしたときでも、保佐人はその遺産の分割が保佐人の同意なくなされたことを理由として取り消すことはできない。
1〜4で正誤が分かる人がおられましたら理由もつけて回答していただけると助かります。
相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産(遺産)が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。相続人が複数いる場合(共同相続)、遺産の分割方法を協議で決める必要があります。この協議がうまくいかない場合、家庭裁判所に遺産分割の審判を申し立てることができます(民法900条)。
問題文の1は、共同相続人が相続分を第三者に譲渡した場合、他の相続人がその相続分を買い取る権利(代償請求権)について問うています。結論から言うと、これは誤りです。
代償請求権は、遺産分割が「完了」するまで行使できます。しかし、問題文では「遺産の分割が終了するまでの間であればいつでも」とありますが、これは少し違います。他の相続人が代償請求できるのは、遺産分割協議が成立した時点までです。分割協議が成立した後、譲渡された相続分を買い取ることはできません。
問題文の2は、相続開始時に相続人が遺産である現金を保管していた場合の権利関係について問うています。これも誤りです。
相続開始時点では、相続財産は共同相続人の共有となります。現金も例外ではありません。したがって、保管していた相続人が、自分の相続分以上の現金を使用することはできません。他の相続人は、保管していた相続人に対して、自分の相続分に応じた額の返還を請求できます。
問題文の3は、不動産を相続した場合の賃料債権(家賃などの請求権)の帰属について問うています。これは正しいです。
不動産を相続した場合、相続開始から遺産分割までの期間に発生した賃料債権は、各相続人の相続分に応じて共有されます。不動産の所有権を一人だけが取得したとしても、その期間の賃料債権は、他の相続人も共有します。
問題文の4は、被保佐人(判断能力が不十分な人)が保佐人の同意を得ずに遺産分割をした場合の取り消しについて問うています。これも誤りです。
被保佐人が行った法律行為は、原則として保佐人の同意が必要です。しかし、遺産分割協議は、保佐人の同意がなくても有効です。ただし、明らかに被保佐人に不利な分割であった場合は、家庭裁判所に取消しを求めることができます。
相続開始後は、遺産は共同相続人の共有となります。これは、各相続人がその財産を自由に処分できるわけではなく、全員の合意が必要なことを意味します。単独で処分するには、他の相続人の同意を得るか、裁判所の判断を得る必要があります。
相続問題は、法律や手続きが複雑で、トラブルになりやすいものです。特に、遺産分割協議は、感情的な問題も絡みやすく、専門家のアドバイスが必要なケースが多いです。
遺産分割協議が難航した場合、相続財産に高額な不動産が含まれる場合、相続人が多数いる場合などは、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。
今回の問題を通して、相続における権利と責任について理解を深めていただけたかと思います。相続は、法律の知識と冷静な判断が求められる重要な手続きです。わからないことがあれば、専門家に相談することをお勧めします。
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