【遺産相続】父親が遺産額を開示してくれない！遺留分と相続財産の開示義務について徹底解説

【背景】
・母が亡くなり、遺言で100万円の相続を指定されています。
・父が母の全遺産を管理しており、遺産総額が不明です。
・遺留分を請求すべきか判断するために、遺産総額を知りたいです。
・父に遺産総額を尋ねましたが、100万円しか渡さないと言われました。

【悩み】
父には、私の相続分を知るために遺産総額を開示する義務はあるのでしょうか？遺留分を請求する方が有利になるか判断するために、遺産の全容を知りたいです。

父には、相続人であるあなたに対して遺産の開示義務があります。

相続財産の開示義務について

相続が発生した場合、相続人（被相続人の配偶者、子、父母など）には、相続財産の内容を知る権利があります。これは、相続人が自分の相続分を正確に把握し、相続手続きを適切に進めるために必要不可欠だからです。父親は、あなたの相続人としての権利を侵害している可能性があります。

民法における相続人の権利

日本の民法では、相続人は相続財産に関する情報を請求する権利（情報開示請求権）を持っています。これは、相続財産の状況を把握し、自分の相続分を正確に計算するために不可欠な権利です。父親が相続財産を隠したり、不正確な情報を提供したりすることは、この権利を侵害する行為にあたります。

相続財産開示請求の方法

相続財産を開示させるには、まず父親に話し合いを持ちかけることが重要です。穏便に解決できるよう、まずは丁寧に状況を説明し、相続財産の明細書の開示を依頼してみましょう。話し合いがうまくいかない場合は、弁護士などの専門家に相談し、内容証明郵便で開示請求を行うこともできます。内容証明郵便は、送った内容が確実に相手に届いたことを証明できる郵便です。

遺留分と相続財産の関連性

あなたは遺言で100万円の相続を指定されていますが、遺留分（相続人が最低限相続できる割合）を下回る可能性があります。遺留分は、法律で定められた最低限の相続分で、遺言によって自由に減らすことはできません。遺留分を侵害する遺言は、無効部分がある可能性があります。遺留分を主張するには、相続財産の全容を把握する必要があります。

遺留分の計算方法

遺留分の計算は、相続財産の総額と相続人の数、相続人の法定相続分（法律で定められた相続割合）に基づいて行われます。例えば、配偶者と子が相続人の場合、配偶者の法定相続分は1/2、子の法定相続分は1/2となります。相続財産の総額が不明なため、現時点ではあなたの遺留分を正確に計算することはできません。

誤解されがちなポイント：遺言と遺留分

遺言で相続分が指定されていても、それが遺留分を下回っている場合は、遺留分を請求することができます。遺言は、相続人の権利を完全に奪うものではありません。遺言の内容と遺留分の関係を正しく理解することが重要です。

専門家への相談

父親との話し合いがうまくいかない場合、または相続財産の規模が大きく複雑な場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、遺産分割協議や訴訟などの手続きをサポートしてくれます。特に、遺産に不動産が含まれている場合や、相続人間で争いが生じている場合は、専門家の助けが必要となるでしょう。

まとめ

相続財産を開示する義務は、相続人であるあなたにはあります。父親との話し合いがうまくいかない場合は、内容証明郵便で開示請求を検討し、必要であれば専門家に相談しましょう。遺留分は、あなたの最低限の相続分を守るための重要な権利です。相続財産の全容を把握し、あなたの権利をしっかり守りましょう。