- Q&A
ごみ焼却場設置の判例(最判昭和39年)をわかりやすく解説!

共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック法律を勉強し始めたばかりの者です。
最高裁判所の判例(最判昭和39年10月29日)について調べていますが、内容が難解で困っています。
この判例では「ごみ焼却場の設置行為は、法律上の「処分性」が否定される」とされているようですが、なぜそうなるのか理解できません。
参考資料を読んでもよくわからないので、簡単でいいので教えてください。
ごみ焼却場の設置は、直接的に国民の権利や義務に影響を与えるものではないと判断されたためです。
法律の世界には、裁判で争うことができる「事件」と、そうでない「事件」があります。裁判を起こせるかどうかを判断する上で重要な概念が「処分性」です。
「処分性」とは、簡単に言うと、行政機関(国や地方公共団体など)の行った行為が、国民の権利や義務に具体的に影響を与えるかどうかを意味します。
例えば、行政機関が「建築許可」を出したとします。この許可が出たことで、あなたは建物を建てられるようになり、もし許可が出なければ、建物を建てることができません。このように、国民の権利や義務に影響を与える行為は「処分性」があるとされます。
一方、行政機関が「意見を述べた」だけでは、国民の権利や義務に直接的な影響はありません。この場合、「処分性」はないと判断されます。
裁判を起こすためには、その行政行為に「処分性」がなければなりません。つまり、国民の権利や義務に影響を与えるような行政行為でなければ、裁判で争うことはできないのです。
最高裁判所(最判昭和39年10月29日)の判例では、ごみ焼却場の設置行為は「処分性」がないと判断されました。これは、ごみ焼却場を設置すること自体は、直接的に国民の権利や義務に影響を与えないと考えられたからです。
もちろん、ごみ焼却場が建設されれば、周辺住民の生活環境に影響を与える可能性はあります。例えば、騒音や臭い、大気汚染などが考えられます。しかし、最高裁判所は、ごみ焼却場の設置行為自体は、これらの影響を直接的に引き起こすものではないと判断しました。
ごみ焼却場が実際に稼働し、何らかの被害が発生した場合、その被害に対しては別の形で救済を求めることができます。例えば、騒音や悪臭によって健康被害が生じた場合は、損害賠償請求(民事訴訟)を起こすことなどが考えられます。
つまり、ごみ焼却場の設置は、あくまでも「準備行為」であり、それ自体が直ちに国民の権利や義務に影響を与えるものではないと解釈されたのです。
今回の判例に関連する法律として、まず「行政事件訴訟法」が挙げられます。この法律は、行政機関の違法な行為によって権利や利益を侵害された人が、裁判を起こすための手続きなどを定めています。
行政事件訴訟法では、裁判を起こすことができるのは、原則として「処分」があった場合に限られます。「処分」とは、行政機関が行う具体的な行為のうち、国民の権利や義務に直接影響を与えるものを指します。
今回の判例では、ごみ焼却場の設置行為は「処分」には該当しないと判断されたため、この行為自体を争う裁判は起こせないことになります。
この判例について、よく誤解される点があります。それは、「ごみ焼却場の設置は、周辺住民に全く影響を与えない」という考え方です。これは誤りです。
ごみ焼却場が設置されれば、騒音や臭い、排気ガスなど、様々な形で周辺住民の生活環境に影響を与える可能性があります。しかし、判例が問題としているのは、あくまでも「設置行為そのもの」の性質です。
裁判所は、設置行為自体は、直接的に国民の権利や義務に影響を与えるものではないと判断しました。周辺住民への影響は、あくまでも「間接的な影響」であり、それ自体を理由に設置行為を争うことはできない、ということです。
ただし、ごみ焼却場の運営によって、実際に被害が発生した場合には、その被害に対しては、別の方法で救済を求めることができます。例えば、損害賠償請求や、操業の差し止め請求などが考えられます。
ごみ焼却場の設置に関する問題は、裁判で解決できる場合ばかりではありません。裁判を起こす前に、様々な解決手段を検討することも重要です。
・行政への働きかけ:ごみ焼却場の設置計画について、行政に対して意見を表明したり、情報公開を求めたりすることができます。住民説明会に参加し、疑問点や不安を直接伝えることも有効です。
・住民協議:周辺住民同士で話し合い、建設業者や行政と交渉することもあります。合意形成を目指し、建設場所の変更や、環境対策の強化などを求めることができます。
・紛争解決機関の利用:地方公共団体によっては、環境問題に関する紛争を解決するための機関を設けている場合があります。専門家による仲介やあっせんを利用し、円満な解決を目指すことも可能です。
・専門家への相談:弁護士や環境問題の専門家などに相談し、法的アドバイスや、具体的な解決策について助言を受けることも重要です。
ごみ焼却場の設置に関する問題で、専門家(弁護士など)に相談すべきケースはいくつかあります。
・権利侵害の可能性:ごみ焼却場の設置によって、あなたの権利(例えば、健康で快適な生活を送る権利など)が侵害される可能性がある場合。
・損害賠償請求を検討する場合:ごみ焼却場の稼働によって、実際に健康被害や財産的損害が発生した場合。
・裁判を検討する場合:行政の対応に不満があり、法的な手段で問題を解決したい場合。
弁護士は、法律の専門家として、あなたの権利を守るために必要なアドバイスやサポートを提供してくれます。また、裁判になった場合には、あなたの代理人として、法廷で主張を代弁してくれます。
今回の判例(最判昭和39年10月29日)のポイントを改めて整理しましょう。
この判例は、行政法における「処分性」という重要な概念を理解する上で、非常に参考になります。今回の解説を通して、少しでも理解が深まれば幸いです。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック