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【建築請負契約と名義】契約後でも共有名義で登記できる?贈与税や補助金で損しないための注意点

共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック夫名義で建築の請負契約をした後でも、妻との共有名義で家の登記はできますか?また、補助金や税金の控除で不利になることはありませんか?
結論から言うと、夫名義の請負契約であっても、妻との共有名義で建物の所有権保存登記をすることは可能です。ただし、妻側にも資金負担の実態がなければ、夫から妻への「贈与」とみなされ、思わぬ贈与税が発生する可能性があります。補助金や各種控除を正しく受けるためにも、資金の流れを明確にすることが非常に重要です。
この記事では、その理由と具体的な注意点について詳しく解説していきます。
多くの方が「契約者の名前と登記の名前は同じでなければならない」と思われがちですが、法律上の考え方は少し異なります。この二つの関係性を理解することが、最初のステップです。
まず、「建築請負契約」とは、あくまで「建物を建てること」を建築会社に依頼する契約です。契約者(今回の場合は夫)は、建築会社に対して工事の責任者としての立場になります。
一方で、建物の「所有権」は、「その建物の建築資金を誰が負担したか」という事実に基づいて決まります。つまり、契約者が誰であるかよりも、実際にお金を出した人が誰であるかが、登記の際には最も重視されるのです。
建物の所有権の割合(共有持分)は、建築資金を負担した割合によって決まります。例えば、建築費用が3,000万円だったとします。
このように、契約者が夫一人であっても、妻が資金を負担した事実があれば、その割合に応じた持分で共有名義の登記をするのが、法的に正しい手続きとなります。
「妻もお金を出したから共有名義にしよう」と単純に考えるのは少し危険です。税務署から「贈与」を疑われないために、客観的な証拠を準備しておく必要があります。
妻の資金負担を証明するためには、そのお金の出所を明確にしておくことが最も重要です。妻名義の預金通帳から建築会社へ直接振り込むなど、「妻のお金が建築費用に使われた」という客観的な記録を残しましょう。夫の口座に一旦お金を移してから支払うと、夫への贈与とみなされる可能性があるので注意が必要です。
総建築費用に対して、それぞれがいくら負担したのかを計算し、正確な持分割合を算出します。この割合が、そのまま登記される持分割合となります。
建物が完成した後に行う最初の所有権登記を「所有権保存登記」と呼びます。この手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。その際、これまでの資金の流れが分かる資料(通帳のコピーなど)を提示し、「夫〇〇分の〇、妻〇〇分の〇」という持分割合で登記をしたい旨を伝えれば、司法書士が適切な書類を作成してくれます。
正しく共有名義にすることで、補助金や税制面でメリットを受けられる可能性があります。
ご心配の通り、住宅取得に関する補助金制度の中には、夫婦の所得を合算して判断するものや、共有名義であることで受給額が変わるものがあります。契約後に共有名義にすること自体は問題ありませんが、補助金の申請条件(申請時期や対象者など)を事前にしっかり確認し、間に合うように手続きを進めることが大切です。
「マイホームの配偶者控除」とは、一般的に「夫婦の間で居住用の不動産を贈与した時に、最高2,000万円まで非課税になる」という特例(通称:おしどり贈与)を指します。今回のケースのように、妻が自分自身の資金で持分を取得する場合、そもそも「贈与」ではないため、この特例は関係ありません。
もし、夫の資金を妻に贈与して、それを建築資金に充てるのであれば、この特例の利用を検討することになりますが、手続きが複雑になるため税理士などの専門家への相談が推奨されます。
もし夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」などを利用する場合、共有名義にすることで、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることができます。 これにより、夫一人でローンを組むよりも世帯全体での控除額が大きくなるケースが多く、大きな節税メリットが期待できます。
最後に、今回のポイントを整理します。
ご覧いただいたように、契約後の名義変更は可能ですが、その裏には税金や補助金などの重要な要素が複雑に絡み合っています。特に、資金の出所を証明する客観的な証拠は、将来の税務調査などへの備えとしても非常に重要です。
手続きを進める中で少しでも不安を感じたら、建物が完成し登記をする前に、司法書士や税理士といった専門家に相談し、ご自身の家庭にとって最も有利で安全な方法を選択することをお勧めします。
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