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マンションの共有部分と管理:規約で「管理者」が所有者になれるの?

【背景】
マンションを購入しました。管理規約を読んでいると、「一部共用部分」について、規約に特別の定めがある場合は「管理者」が所有者と定めることができるという記述がありました。よく理解できず、不安です。

【悩み】
「一部共用部分」とは具体的にどのような部分で、規約で「管理者」が所有者と定めることができるというのはどういう意味なのでしょうか?本当に管理者が所有権を持つことができるのか、法律的に問題はないのでしょうか?

規約で「管理者」が所有者と定められるのは、例外的なケースに限られます。

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

まず、「一部共用部分」と「管理者」について理解しましょう。「一部共用部分」とは、マンションの敷地や建物の中で、区分所有者全員が共有する部分のうち、特定の区分所有者だけが専有的に使用できる部分のことです。(例:特定の住戸に付属するバルコニー、駐車場の一部など)。一方、「管理者」とは、マンションの管理組合(区分所有者全員で構成される組織)が選任する、マンションの管理業務を委託された者(管理会社や管理人など)を指します。

民法(私人間の権利義務を定めた法律)では、区分所有における共有部分の所有権は、各区分所有者がその持分に応じて共有することになっています。簡単に言うと、マンション全体の共有部分の所有権は、マンションに住む人全員で分け合って持っているということです。

今回のケースへの直接的な回答

質問にある「規約に特別の定めがあるときは『管理者』が所有者と定めることもできますか?」という問いに対しては、原則として「NO」です。管理規約で「管理者」が所有者と定めることは、民法の規定に反する可能性が高く、法的効力がないと判断される可能性が高いです。

関係する法律や制度がある場合は明記

区分所有法(マンションの所有形態に関する法律)は、共有部分の所有権について明確に定めており、個々の規約で容易に変更できるものではありません。 管理規約は、区分所有法に反するような内容を含めることはできません。 規約で「管理者」に所有権を付与するような記述があっても、それは法的に無効となる可能性が高いです。

誤解されがちなポイントの整理

管理規約は、区分所有者の権利義務を定める重要な文書ですが、法律を上回る力を持つわけではありません。 管理規約で「管理者」が「所有」できると記載されていても、それは「管理権限」や「使用権」を有するという意味に解釈されるべきです。「所有権」を有するとは、売買や抵当権設定などの権利を行使できることを意味しますが、管理者にはそのような権利はありません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

例えば、一部共用部分であるバルコニーの修繕が必要になった場合、管理組合が管理会社に修繕を委託します。この場合、管理会社は修繕工事の指揮監督を行う権限(管理権限)を持ちますが、バルコニーの所有権を持つわけではありません。所有権はあくまで区分所有者全員が共有しています。

専門家に相談すべき場合とその理由

管理規約の内容が複雑で、法的な解釈に迷う場合は、弁護士や不動産専門家への相談をおすすめします。特に、規約に不明瞭な点や矛盾点がある場合、専門家の助言を得ることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

マンションの共有部分の所有権は、区分所有者全員が共有します。管理規約で「管理者」が所有者と定められることは、原則として認められません。管理規約は法律に反する内容を含めることはできません。規約に不明瞭な点がある場合は、専門家への相談を検討しましょう。 管理規約の解釈は、専門家の助言を得ることが重要です。

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