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マンションの共用部分の持ち分割合:規約で決められるのはどこまで?区分所有法と実務の落とし穴
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区分所有法32条に「敷地の共用持ち分と共用部分の持ち分割合は、公正証書による規約では決めることができない」とありますが、一方で「共用部分の各共有者の持ち分割合は、規約に別段の定めがない限り、その有する専有面積の床面積割合による」ともあります。結局、共用部分の持ち分割合は規約で決められるのでしょうか?決められないのでしょうか?混乱しているので、詳しい方にご教示いただけたら幸いです。
区分所有法(区分所有建物の所有等に関する法律)は、マンションなどの区分所有建物の所有形態を定めた法律です。 マンションは、専有部分(個人が所有する部屋など)と共用部分(廊下、エレベーター、敷地など、全員で共有する部分)で構成されています。 この共用部分は、各区分所有者によって共有されます。
区分所有法では、共用部分の持ち分割合は、原則として各区分所有者の専有部分の床面積の割合(専有面積比例)で決定されると定めています。 つまり、広い部屋を持つ所有者は、共用部分の持ち分も大きくなります。これは、共用部分の使用頻度や負担が専有面積と比例すると考えられているためです。
質問にあるように、区分所有法32条は、敷地の持分と共用部分の持ち分割合を規約で変更することを制限しています。 これは、建物の構造や管理の公平性を保つためです。 規約で自由に割合を変更できると、一部の所有者に不利益が生じる可能性があるためです。
ただし、共用部分の持ち分割合そのものを変えることはできませんが、共用部分の使用方法や利用制限については、規約で定めることができます。 例えば、「自転車の駐輪場所」「ペットの飼育に関する事項」「共用部分の清掃方法」などは、規約で詳細に規定することが可能です。
専有面積比例は原則ですが、例外もあります。 例えば、建物全体の構造や設計上、専有面積比例では不公平が生じる場合、裁判所が別途割合を決定することがあります。 また、特別な事情がある場合、登記簿に記載された持分比率が優先されることもあります。
マンションを購入する際には、管理規約を十分に確認することが重要です。 共用部分の維持管理費用(修繕積立金など)は、通常、共用部分の持ち分割合に基づいて負担します。 規約に記載されている費用負担方法をよく理解し、納得した上で購入しましょう。 また、管理組合の運営状況や過去の修繕履歴なども確認し、将来的な修繕費用負担についても検討することが大切です。
管理規約の内容が複雑で理解できない場合、あるいは、規約に不備があると思われる場合、弁護士や不動産専門家などに相談することをお勧めします。 特に、管理組合との間で紛争が発生した場合には、専門家のアドバイスが不可欠です。
共用部分の持ち分割合は、原則として専有面積比例で決定され、規約で変更することはできません。 ただし、共用部分の使用制限などは規約で定めることができます。 マンション購入を検討する際には、管理規約を丁寧に確認し、専門家への相談も視野に入れて検討することが重要です。 不明な点は、管理会社や管理組合に積極的に質問しましょう。
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