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マンションの大規模修繕工事?区分所有者と議決権の3/4ってどういう意味?~マンション管理規約の解釈と注意点~

【背景】
マンションの大規模修繕工事を行うことになり、管理組合の総会で議決が必要になりました。管理規約には「区分所有者および議決権の各3/4以上。ただし、区分所有者の定数は規約でその過半数まで減じることができます。」と記載されています。

【悩み】
この文言の意味がよく分かりません。「区分所有者」と「議決権」は別々に3/4以上の賛成が必要なのか、それとも足し算して考えるのか、また規約で区分所有者の数を減らせるというのはどういう意味なのか、教えてください。区分所有者と議決権は同じ人が持っているのに、なぜ足し算する必要があるのでしょうか?不安です。

区分所有者3/4と議決権3/4はそれぞれ満たす必要があり、足し算しません。規約で区分所有者数を減らすとは、議決に必要な区分所有者数を減らせるという意味です。

1. マンション管理における「区分所有者」と「議決権」の基礎知識

マンションは、複数の区分所有者(マンションの一室を所有する人)が共有部分(廊下やエレベーターなど、複数の区分所有者で共有する部分)を共有して生活する建物です。 マンションの管理運営は、区分所有者全員で構成される管理組合が行います。

区分所有者は、所有するマンションの専有部分(個人が自由に使える部屋の部分)の広さに応じて議決権(総会での意思決定における投票権)を持ちます。 通常、専有部分の面積が大きいほど、議決権の数も多くなります。 つまり、区分所有者と議決権は密接な関係にありますが、完全に一致するわけではありません。 大きな専有部分を所有する人は、より多くの議決権を持つことになります。

2. 今回のケースへの直接的な回答

質問にある「区分所有者および議決権の各3/4以上」とは、区分所有者の3/4以上議決権の3/4以上の両方から賛成を得る必要があることを意味します。 単に足し算するわけではありません。

3. マンション管理規約と関係する法律

マンションの管理運営は、区分所有法(マンションの管理に関する法律)と管理規約によって定められています。 質問にある「区分所有者の定数は規約でその過半数まで減じることができます」の部分は、管理規約で定められた議決権の要件を指します。 つまり、管理規約で、重大な事項の決定に必要な区分所有者数を、全体の3/4から過半数に減らすことができる、ということです。 ただし、議決権の3/4以上の賛成は、規約で変更できません。

4. 誤解されがちなポイントの整理

「区分所有者」と「議決権」を混同しやすい点が、誤解を生みやすいポイントです。 区分所有者は、マンションの所有者の人数を指し、議決権はその所有者の投票権の数を指します。 所有する面積が大きければ、議決権の数も多くなるため、必ずしも区分所有者数と議決権数は一致しません。

5. 実務的なアドバイスと具体例の紹介

例えば、100戸のマンションで、大規模修繕工事の議決を行う場合を考えます。

* **規約で区分所有者数の要件を変更していない場合:** 区分所有者75名以上(100戸の3/4)と、議決権の総数の3/4以上の賛成が必要です。
* **規約で区分所有者数の要件を過半数に変更している場合:** 区分所有者50名以上(100戸の過半数)と、議決権の総数の3/4以上の賛成が必要です。

どちらの場合も、議決権の3/4以上の賛成は必須です。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

管理規約の解釈に迷う場合、または総会での議決に関するトラブルが発生した場合は、弁護士やマンション管理士(マンション管理に関する専門知識を持つ国家資格者)に相談することをお勧めします。 専門家は、規約の正確な解釈を説明し、適切な対応策を提案してくれます。

7. まとめ

マンションの重大な事項の決定には、区分所有者と議決権の両方の要件を満たす必要があります。 管理規約をよく確認し、不明な点は専門家に相談することで、トラブルを未然に防ぎ、円滑なマンション管理を実現しましょう。 特に、議決権の割合は、規約で変更できませんので、注意が必要です。

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