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マンションの容積率記載:重要事項説明書における注意点と実務

【背景】
マンションを購入検討していて、重要事項説明書に記載されている容積率について疑問を感じています。登記簿上の延床面積と敷地面積から計算すると、容積率オーバーのように見える物件が結構あるように思うのです。しかし、共用部分の面積がどの程度含まれているのか、重要事項説明書やパンフレットからは分かりません。

【悩み】
重要事項説明書には、容積率オーバーの可能性がある場合、どのように記載すべきなのでしょうか?登記簿上の数値と比較してオーバーしている場合は、「再建築時に同規模の建物が建てられない」といった文言を入れるべきでしょうか?それとも「容積率がオーバーしているかどうかは実情不明」と記載すべきでしょうか?あるいは、何も触れずに記載しないのが適切なのでしょうか?不動産会社の方々の実際の対応について知りたいです。

容積率超過の可能性について、重要事項説明書に明確に記載する

容積率の基礎知識

容積率とは、敷地面積に対する建築物の延床面積の割合のことです(例:容積率200%なら、敷地面積の2倍の延床面積の建物が建てられます)。建築基準法(建築物の建築に関する基準を定めた法律)で定められており、都市計画によって地区ごとに異なります。マンションの場合、共用部分(廊下、階段、エレベーターホールなど)も延床面積に含まれます。

今回のケースへの直接的な回答

登記簿上の延床面積と敷地面積から計算した容積率が法定容積率を超えているように見える場合、重要事項説明書にはその可能性について明確に記載する必要があります。曖昧な表現は避け、「容積率超過の可能性あり」といった具体的な記述が求められます。

関係する法律や制度

建築基準法が関係します。この法律では、容積率の制限が定められており、それを超える建築は原則として認められません。違反した場合、建築確認が下りなかったり、是正命令が出されたりする可能性があります。

誤解されがちなポイントの整理

* **登記簿上の面積と実際の面積のずれ:** 登記簿の面積は必ずしも正確なものではありません。経年劣化による増改築や、測量方法の違いなどが原因で、実際の面積とずれが生じることがあります。
* **共用部分の面積の算定:** 共用部分の面積を正確に算出することは、専門的な知識と技術を要します。単純な計算で容積率超過と判断するのは危険です。
* **容積率緩和:** 地区によっては、一定の条件を満たせば容積率の緩和措置が認められる場合があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

重要事項説明書には、以下の点を明確に記載することが望ましいです。

* **計算根拠:** 使用した延床面積と敷地面積のデータソース(登記簿、建築確認申請書など)を明記します。
* **容積率の算出結果:** 計算によって得られた容積率の数値を提示します。
* **法定容積率との比較:** 算出された容積率が法定容積率を超えているか、または超える可能性があることを明確に記述します。
* **専門家による確認の有無:** 建築士等の専門家による確認を行ったかどうかも記載します。もし行っていない場合は、その旨を明記し、容積率超過の可能性があることを改めて強調します。
* **再建築可能性への言及:** 容積率超過の可能性がある場合、将来の再建築において、現在の規模を維持できるかどうかは不確定であることを明確に示す必要があります。

例えば、「登記簿上の延床面積と敷地面積に基づき算出した容積率は○○%であり、法定容積率である○○%を超える可能性があります。再建築の際には、建築基準法に適合した設計となるため、現在の規模を維持できない可能性があります。」といった記述が考えられます。

専門家に相談すべき場合とその理由

容積率の算出や法令解釈に自信がない場合、建築士や不動産鑑定士などの専門家に相談することが重要です。専門家は、正確な面積の算定を行い、法令に則った適切な判断を下すことができます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

マンションの重要事項説明書において、容積率に関する記述は非常に重要です。登記簿上の数値と単純に比較して容積率超過と判断するのではなく、共用部分の面積や測量方法の違いなどを考慮し、専門家の意見も参考にしながら、正確な情報を提供する必要があります。曖昧な表現は避け、容積率超過の可能性がある場合は、その旨を明確に記載することが、売買契約におけるトラブル防止に繋がります。 法令遵守と透明性を重視した対応が求められます。

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