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マンションの専有部分と共用部分:床下・天井裏の配管・配線に関する区分所有法の解説

【背景】
マンションを購入しました。管理規約を確認したところ、専有部分内の床下、天井裏に設置されている配管及び配線すべてを、専有部分とする旨の定めがありました。

【悩み】
この定めが、区分所有法に反しているのではないかと心配しています。具体的にどのような点が問題なのか、区分所有法の観点から教えていただきたいです。

管理規約の定めは、区分所有法に抵触する可能性があります。

1. 区分所有法と専有部分・共用部分の基礎知識

区分所有法(区分所有建物の所有等に関する法律)は、マンションなどの区分所有建物の所有形態を定めた法律です。マンションは、建物の全体(「建物全体」)と、各戸の専有部分(「各戸」)から構成されています。

  • 専有部分:個々の区分所有者が自由に使用・収益できる部分です。例えば、各戸の室内、バルコニーなどが該当します。
  • 共用部分:複数の区分所有者で共有する部分です。廊下、階段、エレベーター、屋上などが該当します。また、構造上不可分な部分(建物の構造を維持するために必要な部分)も含まれます。

重要なのは、専有部分と共用部分の境界が明確に定められていることです。 この境界線は、建物の構造や機能と密接に関連しています。

2. 今回のケースへの直接的な回答

質問にある「専有部分内の床下、天井裏に設置されている配管及び配線すべてを、専有部分とする」という定めは、区分所有法に反する可能性が高いです。

なぜなら、床下や天井裏の配管・配線は、多くの場合、建物の構造を維持したり、他の住戸への給排水・電気供給を行うために不可欠な部分だからです。これらの配管・配線は、構造上不可分な部分として、共用部分に該当する可能性が高いのです。

3. 関係する法律や制度

区分所有法第12条では、共用部分の定義が規定されています。 また、判例においても、建物の構造や機能上不可欠な配管・配線は、共用部分と判断されるケースが多いです。 管理規約は、区分所有法に反する内容を含んではいけません。

4. 誤解されがちなポイントの整理

専有部分と共用部分の境界は、必ずしも物理的な壁や床だけで決まるわけではありません。 配管や配線の位置、その機能、建物の構造との関係などを総合的に判断する必要があります。 単に「専有部分内にある」という理由だけで、専有部分と断定することはできません。

5. 実務的なアドバイスや具体例の紹介

例えば、専有部分内の給水管が破損した場合、修理は原則として区分所有者自身が行うべきです。しかし、その給水管が共用部分の給水管と接続されている場合、修理には共用部分へのアクセスが必要になるかもしれません。このような場合、管理組合と協議する必要があります。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

管理規約の内容が区分所有法に抵触するかどうか、判断に迷う場合は、弁護士や不動産専門家などに相談することをお勧めします。専門家は、具体的な状況を踏まえ、適切なアドバイスをしてくれます。特に、管理組合との紛争に発展する可能性がある場合は、早期の相談が重要です。

7. まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

マンションの専有部分と共用部分の境界は、法律や判例に基づき、建物の構造や機能を考慮して判断されます。 床下や天井裏の配管・配線は、多くの場合、共用部分に該当します。管理規約が区分所有法に反する内容を含んでいる可能性がある場合は、専門家への相談が有効です。 不明な点があれば、管理組合に問い合わせ、必要に応じて専門家の意見を仰ぐことが大切です。

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