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マンションの議決権と定数:区分所有法の落とし穴と正しい理解

【背景】
FP1級の試験問題で、「建物の区分所有等に関する法律」の議決権と定数の問題に引っかかりました。リンク先の解説を読んでも、なぜ不適切なのか理解できません。

【悩み】
区分所有者の数と、共用部分変更に必要な承認数を具体的に計算して確認したいです。特に、「定数」と「議決権の4分の3」の関係が分かりません。 問題の解説が理解できず、自分の理解が正しいのかどうか不安です。

定数と議決権の関係を正しく理解し、計算しましょう。

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

「建物の区分所有等に関する法律」(以下、区分所有法)は、マンションなどの集合住宅における共用部分の管理や修繕などを定めた法律です。共用部分の変更(大規模修繕工事など)を行うには、区分所有者(マンションの各部屋の所有者)の同意が必要です。この同意を得るための仕組みとして、「議決権」と「定数」という概念が重要になります。

* **議決権**: 各区分所有者が、所有する専有部分の面積に応じて持つ権利です。面積が大きいほど、議決権が大きくなります。
* **定数**: 区分所有法で定められた、議決権を行使できる区分所有者の最低人数です。この定数は、区分所有者の総数の4分の3以上でなければなりません(法定定数)。ただし、規約で定数を減らすことはできますが、4分の3未満にすることはできません。
* **議決権の4分の3**: 共用部分の変更などの重要な事項を決めるには、定数の4分の3以上の賛成が必要です。これは法律で定められています。

今回のケースへの直接的な回答

質問者の理解は一部誤っています。 重要なのは、**議決権を行使した者のうち4分の3以上の賛成が必要**という点です。 議決権を行使しなかった者(議決権を放棄した者)は、計算に含まれません。

関係する法律や制度がある場合は明記

関係する法律は、前述の通り「建物の区分所有等に関する法律」です。特に、第24条(区分所有者の集会及び議決)が重要です。この条文では、共用部分の変更などの重要な事項の決定に必要な議決権の割合が定められています。

誤解されがちなポイントの整理

よくある誤解は、「区分所有者の総数の4分の3以上の賛成が必要」と考えることです。 正しくは、「定数の4分の3以上の賛成が必要」です。 定数は、規約で減らすことができますが、法定定数(区分所有者総数の4分の3)を下回ることはできません。議決権を行使した者の数に基づいて計算する点が重要です。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

100人の区分所有者がいるマンションで、共用部分の変更を検討する場合を例に考えてみましょう。

* **法定定数**: 100人 × 3/4 = 75人
* 100人全員が議決権を行使した場合、75人以上の賛成が必要です。
* 80人が議決権を行使した場合、80人 × 3/4 = 60人以上の賛成が必要です。
* 74人が議決権を行使し、26人が放棄した場合、74人 × 3/4 = 55.5人。 56人以上の賛成が必要です。

このように、議決権を行使した人数に基づいて、必要な賛成数を計算します。放棄した人の数は関係ありません。

専門家に相談すべき場合とその理由

区分所有法は複雑なため、マンションの規模や状況によっては、専門家のアドバイスが必要となる場合があります。特に、以下の場合は弁護士や不動産管理士などに相談することをお勧めします。

* 規約の内容が複雑で、議決権の計算方法が不明確な場合。
* 区分所有者間で意見が対立し、合意形成が困難な場合。
* 法律上の問題が発生した場合。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

区分所有法における共用部分の変更に必要な議決権は、「定数の4分の3以上」です。定数は、区分所有者総数の4分の3以上でなければなりませんが、規約で減らすことができます。重要なのは、**議決権を行使した者**の数に基づいて計算することです。議決権を放棄した者は計算に含みません。 複雑な場合は、専門家に相談しましょう。

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