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マンション敷地内立ち枯れ樹木の伐採:理事会決議と法的な注意点

【背景】
マンション敷地内にケヤキの樹木があり、植栽業者から立ち枯れているため伐採を勧告されました。

【悩み】
マンションの共有部分である樹木の伐採について、理事会決議だけで良いのか、それとも区分所有者の全員同意が必要なのか、法律的にどう判断すれば良いのかが分かりません。 現状では、倒木事故の危険性から、理事会決議で伐採を進める意見が優勢ですが、本当にそれで良いのか不安です。

理事会決議で伐採可能。ただし、状況によっては総会決議が必要。

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

マンションの敷地内にある樹木は、通常、区分所有者全員の共有部分(共有物)です。共有物の管理は、区分所有法(民法の特則)とマンションの管理規約によって定められています。管理規約には、修繕や改築などに関する事項が記載されており、樹木の伐採についても規定されている場合があります。 また、民法は、共有物の管理について、原則として共有者全員の同意を必要とすると定めています。しかし、共有物の維持管理に関する事項については、共有者全員の同意がなくても、必要な処置をとることが認められています。

今回のケースへの直接的な回答

立ち枯れたケヤキは、倒木による事故の危険性があるため、迅速な対応が必要です。 管理規約に具体的な規定がない場合、理事会決議で伐採を進めることが可能です。 ただし、伐採費用が比較的大きな金額になる場合や、区分所有者から強い反対意見が出た場合は、総会決議を経る方が望ましいでしょう。 「もはや財産と見なすことは無い」という解釈は、正確ではありません。 立ち枯れしているとはいえ、共有部分であることに変わりはなく、その管理・処分には適切な手続きが必要です。

関係する法律や制度がある場合は明記

関係する法律は、主に以下の通りです。

* **区分所有法**: マンションの管理に関する基本的なルールを定めています。共有部分の管理、修繕、改築などについて規定されています。
* **民法**: 共有物に関する一般的なルールを定めています。共有物の管理には原則として全員の同意が必要ですが、維持管理のための処置は例外的に認められています。

誤解されがちなポイントの整理

* **「全員の同意が必要」という誤解**: 民法では共有物の管理に原則として全員の同意が必要ですが、危険防止のための伐採は、共有物の維持管理に該当し、例外的に理事会決議で対応できる場合があります。 これは、放置することでより大きな損害(倒木事故など)が発生する可能性があるためです。
* **「立ち枯れ=財産ではない」という誤解**: 立ち枯れしていても、依然としてマンションの共有財産です。 所有権は消滅していません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

1. **植栽業者からの見積もり取得**: 伐採費用、処分費用などの見積もりを複数の業者から取得し、理事会で検討します。
2. **理事会での決議**: 伐採の必要性、費用、業者選定などを議題として、理事会で決議を行います。 議事録をきちんと作成することが重要です。
3. **区分所有者への周知**: 伐採計画を区分所有者へ事前に周知し、疑問点や懸念事項があれば対応します。 書面による通知が望ましいです。
4. **緊急性が高い場合**: 倒木の危険性が極めて高いと判断される場合は、理事会決議後、速やかに伐採作業を進めます。事後的に総会で報告・承認を得ることも可能です。

専門家に相談すべき場合とその理由

* 管理規約に伐採に関する規定があり、解釈に迷う場合
* 区分所有者から強い反対意見があり、合意形成が困難な場合
* 伐採費用が高額で、予算上の問題が発生する場合
* 法律的な問題が発生した場合(近隣住民とのトラブルなど)

弁護士や不動産管理士などの専門家に相談することで、適切な手続きや対応方法をアドバイスしてもらうことができます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

立ち枯れ樹木の伐採は、理事会決議で対応できる可能性が高いです。ただし、管理規約の内容、伐採費用、区分所有者の意見などを考慮し、必要に応じて総会決議を行うことも検討しましょう。 倒木の危険性が高い場合は迅速な対応が求められますが、適切な手続きを踏むことで、トラブルを回避し、安全なマンション管理を実現できます。 不明な点があれば、専門家への相談も有効です。

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