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マンション管理士試験問題解説:共用部分の損害保険契約と区分所有法

【背景】
平成20年のマンション管理士試験問題で、共用部分の損害保険契約に関する問題で悩んでいます。選択肢に「管理所有者は、当該共用部分に係る損害保険契約の締結について、集会の決議を得る必要がない。」というものがあり、正解は○でした。しかし、私は区分所有法17条、18条から×と判断しました。

【悩み】
正解が○である理由が理解できません。区分所有法20条2項を根拠にしているようですが、その条文の意味と、損害保険契約締結にそれがどのように関係するのかが分かりません。また、18条1項、4項との関係も教えていただきたいです。

区分所有法20条2項に基づき、集会決議不要

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

この問題は、区分所有法(区分所有建物の所有者及び管理に関する法律)に基づいて、マンションの共用部分の管理に関する権利と義務を理解しているかを問う問題です。

まず、重要な用語を定義しておきましょう。

* **区分所有建物**: 複数の所有者がそれぞれ独立した区分を所有し、共用部分(廊下、階段、外壁など)を共有する建物です。
* **共用部分**: 区分所有者全員が共有する部分です。
* **管理組合**: 区分所有者によって構成される組織で、共用部分の管理運営を行います。
* **集会**: 管理組合の総会のことです。重要な事項は、この集会での決議(多数決)によって決定されます。
* **保存行為**: 共有物件の現状を維持するための行為です。例えば、雨漏りの修理など緊急性の高い修繕などが該当します。

今回のケースへの直接的な回答

問題の選択肢「管理所有者は、当該共用部分に係る損害保険契約の締結について、集会の決議を得る必要がない。」は、**正しい**です。

これは、区分所有法20条2項「前項の共用部分の所有者は、第十七条第一項に規定する共用部分の変更をすることができない。」に基づきます。

関係する法律や制度がある場合は明記

関係する法律は、**区分所有法**です。特に、以下の条文が重要になります。

* **第17条1項**: 共用部分の変更には、区分所有者の集会の決議が必要です。(例:大規模な改修工事)
* **第18条1項**: 共用部分の管理に関する事項は、17条の場合を除き、集会の決議で決めます。ただし、保存行為は各共有者が行うことができます。
* **第18条4項**: 共用部分に関する損害保険契約は、共用部分の管理に関する事項とみなされます。
* **第20条2項**: 17条1項に規定する共用部分の変更は、区分所有者個々では行えません。

誤解されがちなポイントの整理

質問者の方は、18条1項と4項から、損害保険契約も集会の決議が必要だと解釈されたようです。しかし、損害保険契約は、共用部分の「変更」ではなく「管理」に該当します。 20条2項は、共用部分の「変更」を制限する条文であり、損害保険契約締結は「変更」には該当しません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

損害保険契約は、火災や地震などによる共用部分の損害から区分所有者を保護するための重要な手段です。 管理組合は、適切な保険内容の契約を締結し、保険料の負担についても、区分所有者間で公平に分配する必要があります。

例えば、マンションの建物全体を対象とした火災保険に加入する場合、管理組合の理事会が保険会社と契約を結び、保険料は管理費から支払われるのが一般的です。この場合、個々の区分所有者が個別に契約する必要はありません。

専門家に相談すべき場合とその理由

複雑な保険契約や、保険金請求に関するトラブルが発生した場合には、弁護士や保険専門家に相談することをお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、適切な対応を講じることができ、紛争を回避することができます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

損害保険契約は、共用部分の「管理」であり「変更」ではないため、区分所有法20条2項は適用されません。そのため、区分所有法18条1項の「集会の決議」の例外として、管理組合(または理事会)が単独で損害保険契約を締結できます。 ただし、契約内容については、透明性を確保し、区分所有者への説明責任を果たすことが重要です。

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