
- Q&A
マンション管理士試験過去問解説:敷地の持分割合と規約の限界
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【悩み】
民法の共有に関する規定では、原則として相等しい割合になりますが、共有者間で別段の定めをすることも可能です。ということは、民法の規定に従えば、規約で敷地の持分割合を定めることができるのではないかと考えています。「区分所有法および民法の規定によれば」という問題文の意味が理解できません。
マンションのような集合住宅は、区分所有法(区分所有等に関する法律)によって、建物の各部分(専有部分)と共有部分(共用部分)に分けられます。専有部分は個々の所有者が単独で所有しますが、共用部分は区分所有者全員で共有します。 敷地の持分割合は、共用部分である敷地を、各区分所有者がどのくらいの割合で所有するかを示すものです。
一方、民法は、共有に関する一般的なルールを定めています。民法では、共有物の持分が特に定められていない場合は、各共有者の持分は「相等しい」(均等)とされています。しかし、共有者間で合意すれば、異なる割合で共有することも可能です。 ここで重要なのは、区分所有法と民法の役割の違いです。区分所有法は、マンション特有のルールを定めた法律であり、民法は、より広い範囲の法律です。
問題文は「区分所有法および民法の規定によれば」と問いかけています。 重要なのは、区分所有法が、敷地の持分割合を規約で自由に定められるとは規定していない点です。 民法の共有に関する規定は、あくまでも一般的な共有に関するルールであり、区分所有法の特例規定には優先しません。つまり、敷地の持分割合は、区分所有法の規定に従って、原則として各区分所有者の専有部分の床面積の割合で決定されます。規約で自由に変更することはできないのです。
* **区分所有法(区分所有等に関する法律):** マンションの所有形態や管理方法を定めた法律。敷地の持分割合についても規定があるが、規約で自由に変更できるわけではない。
* **民法:** 共有に関する一般的なルールを定めた法律。区分所有法と抵触しない範囲で適用される。
「民法の共有の規定で別段の定めが可能」という点に惑わされがちです。確かに民法では、共有者間で合意すれば、共有割合を自由に定めることができます。しかし、これは、区分所有法で特例が定められている場合、その特例規定に従う必要があることを忘れてはなりません。敷地の持分割合は、区分所有法において、規約で自由に定められない特例が設けられているのです。
例えば、マンションの敷地の一部を駐車場として利用する場合、その利用割合を規約で定めることは可能です。しかし、これは敷地の持分割合そのものを変更するのではなく、共有部分の利用方法に関するルールを定めることになります。敷地の持分割合自体は、区分所有法の規定に従って決定されます。
敷地の持分割合に関する紛争が発生した場合、または、規約の解釈に迷う場合は、弁護士や不動産専門家に相談することをお勧めします。複雑な法律解釈が必要となる場合があり、専門家の助言によって適切な解決策を見つけることができます。
マンションの敷地の持分割合は、区分所有法の規定に従い、原則として専有部分の床面積の割合で決定されます。民法の共有に関する規定は、区分所有法の特例規定には優先しません。そのため、規約で自由に敷地の持分割合を変更することはできません。 問題文の「区分所有法および民法の規定によれば」は、両方の法律を考慮した上で、敷地の持分割合が規約で定められないことを問うているのです。 この点を理解することが、問題を正しく解く鍵となります。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック