- Q&A
マンション管理費不足!理事長の独断で追加徴収はOK?標準管理規約61条2項の解説

共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【悩み】
この条文から、理事長が独断で追加徴収の金額を決めて良いのかどうかが分からず、不安です。理事会の決議が必要ないという記述がありますが、本当に理事長の判断だけで良いのでしょうか?
マンションは、個々の居住部分(専有部分)と、共用部分(廊下、エレベーター、駐車場など)から構成されています。 管理組合は、マンションの共用部分の管理・修繕を行うために、区分所有者(マンションの居住者)によって設立される組織です。(区分所有法に基づく)。 管理組合の運営は、管理規約によって定められています。この規約は、マンションを購入する際に同意したものであり、組合員の権利と義務を規定する重要な文書です。標準管理規約は、国土交通省が作成した、一般的なマンション管理規約のひな型です。
質問にある標準管理規約61条2項は、管理費不足の場合、組合員に不足分を負担させることができることを規定しています。しかし、これは理事長の独断で決めることができるという意味ではありません。 理事長の権限は、管理規約や理事会決議に基づいて行使されるべきです。 管理費の追加徴収は、重要な事項であり、理事会での議決を経て決定するのが一般的かつ適切な手続きです。
この件に関わる主な法律は、区分所有法です。区分所有法は、マンションの管理に関する基本的なルールを定めています。 標準管理規約は、この法律に基づいて作成されたものであり、法律そのものではありません。 しかし、多くのマンションで標準管理規約(またはその改定版)が採用されているため、実務上重要な役割を果たしています。
標準管理規約61条2項は、「理事会の決議を経なければなければならないという規定はない」とありますが、これは「理事会決議が不要」という意味ではありません。「法律や規約に明示的に理事会決議が必要とされていない」という意味です。 しかし、透明性と公平性を確保するためには、重要な事項である管理費の追加徴収は、理事会で議論し、決議を得ることが望ましいです。 理事長の独断で決定すると、他の組合員から異議が出たり、訴訟に発展する可能性もあります。
管理費不足が発生した際には、まず理事会でその原因と対策を検討する必要があります。 例えば、修繕積立金(マンションの修繕費用を積み立てるための資金)の不足、予想外の修繕費用の発生などが原因として考えられます。 理事会では、不足分の金額、徴収方法、徴収時期などを決定し、組合員に丁寧に説明することが重要です。 その上で、書面で組合員に通知し、同意を得る手続きが必要となるでしょう。 また、会計処理も透明性を保つ必要があります。
管理組合の運営や法律的な問題に不安がある場合、弁護士やマンション管理士(マンション管理に関する専門知識を持つ国家資格者)に相談することをお勧めします。 特に、組合員との間で意見の食い違いが生じたり、訴訟の可能性がある場合は、専門家のアドバイスが不可欠です。 専門家は、法律に基づいた適切な対応方法をアドバイスし、紛争を回避するお手伝いをしてくれます。
標準管理規約61条2項は、理事長の独断で管理費を追加徴収できることを意味するものではありません。 管理費の追加徴収は、理事会で議決を経て行うべきです。 透明性と公平性を保ち、組合員との良好な関係を維持するためにも、理事会での適切な手続きを踏むことが重要です。 不明な点や不安がある場合は、専門家への相談も検討しましょう。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック