• Q&A
  • ロードサイド店舗の不動産鑑定評価:積算価格と収益価格の差、どう考える?

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

ロードサイド店舗の不動産鑑定評価:積算価格と収益価格の差、どう考える?

【背景】

  • 不動産鑑定士の実務修習生です。
  • ロードサイド型の賃貸店舗の鑑定評価について悩んでいます。
  • 店舗の床面積で賃料を計算すると、駐車場が広い物件は収益価格が低く算出されます。
  • 積算価格(土地と建物のコストを合計した価格)が収益価格を上回る状況です。
  • 周囲の賃貸事例から、駐車場が広くても高い賃料は期待できません。
  • 土地建物を一体として考えると、ロードサイド店舗以外の用途は難しいです。

【悩み】

  • 積算価格が収益価格を上回ると、賃貸しても収益が見込めず、自分で使うしかないように思えます。
  • 収益価格を企業の収益から求めるべきなのでしょうか?
  • 企業収益に関する資料を集めるのは難しいです。
  • 積算価格>収益価格という状況をどのように説明すれば良いのか困っています。
ロードサイド店舗の不動産鑑定評価では、駐車場を含めた総合的な視点と、周辺事例との比較が重要です。
積算価格と収益価格の差は、それぞれの評価方法の特徴と、市場の実態を考慮して説明できます。

テーマの基礎知識:不動産鑑定評価とは?

不動産鑑定評価は、不動産の適正な価値を客観的に判断するための専門的な手法です。不動産の取引や、税金の計算、担保評価など、様々な場面で利用されます。

不動産の価値を評価する方法には、主に以下の3つの手法があります。

  • 原価法: 土地と建物を新しく作るのにかかる費用(積算価格)を基に評価します。
  • 取引事例比較法: 似たような不動産の取引事例を参考に評価します。
  • 収益還元法: 不動産から得られる収益(賃料収入など)を基に評価します。

今回の質問にある「積算価格」は、原価法で求められる価格のことです。一方、「収益価格」は、収益還元法で求められる価格を指します。

ポイント:
不動産鑑定評価は、様々な要素を考慮して、総合的に判断されます。

今回のケースへの直接的な回答:積算価格>収益価格の理由

ロードサイド型の賃貸店舗において、積算価格が収益価格を上回ることは、珍しいことではありません。
これは、それぞれの評価方法の特徴と、ロードサイド店舗を取り巻く市場環境が影響していると考えられます。

1. 駐車場と賃料の関係:

ロードサイド店舗は、広い駐車場を確保することが、顧客を呼び込むために非常に重要です。しかし、駐車場が広いからといって、必ずしも高い賃料が取れるわけではありません。
周辺の賃貸事例を参考にすると、駐車場が広くても、賃料水準はそれほど高くない場合があります。
これは、ロードサイド店舗の賃料が、立地条件や店舗の規模、周辺の競合状況など、様々な要因によって決まるためです。

2. 積算価格と収益価格の性質の違い:

積算価格は、土地と建物のコストを積み上げて計算するため、駐車場が広いほど高くなります。
一方、収益価格は、賃料収入を基に計算するため、賃料が低いと低くなります。
このため、駐車場が広いロードサイド店舗では、積算価格が収益価格を上回りやすい傾向があります。

補足:
積算価格は、あくまでも「コスト」を反映した価格であり、必ずしも実際の市場価値を反映するとは限りません。

関係する法律や制度:不動産鑑定評価基準

不動産鑑定評価は、「不動産鑑定評価基準」というルールに基づいて行われます。
この基準は、不動産の適正な価値を客観的に判断するための、基本的な考え方や具体的な手法を定めています。
不動産鑑定士は、この基準に従って、不動産の鑑定評価を行います。

今回のケースで重要となるのは、収益還元法の適用です。
収益還元法では、対象不動産から将来的に得られるであろう収益(賃料収入など)を、現在の価値に割り引いて評価します。
この際、周辺の賃貸事例や、市場の動向などを考慮して、適切な賃料水準や割引率を設定する必要があります。

ポイント:
不動産鑑定評価基準は、不動産鑑定士が公正な評価を行うための羅針盤です。

誤解されがちなポイントの整理:積算価格と収益価格の使い分け

積算価格と収益価格は、それぞれ異なる目的で用いられます。
積算価格は、建物の再調達原価(もう一度同じものを建てるのにかかる費用)を把握する際に有効です。
一方、収益価格は、賃貸不動産の価値を評価する際に適しています。

今回のケースでは、積算価格が収益価格を上回ることで、「賃貸しても意味がないのではないか」という疑問が生じています。
しかし、これは必ずしも誤解とは言えません。
積算価格と収益価格の差が大きい場合、その不動産の収益性が低いことを示唆しているからです。

ただし、この差をどのように解釈し、評価に反映させるかは、不動産鑑定士の腕の見せ所です。
周辺の市場環境や、不動産の特性を考慮して、総合的に判断する必要があります。

注意点:
積算価格と収益価格の差は、必ずしも問題とは限りません。
重要なのは、その差がなぜ生じているのかを理解し、適切に評価に反映させることです。

実務的なアドバイスや具体例:評価のポイント

ロードサイド店舗の鑑定評価では、以下の点を考慮することが重要です。

  • 周辺の賃貸事例の収集と分析: 周辺のロードサイド店舗の賃料水準や、駐車場規模、立地条件などを詳しく調査します。
  • 駐車場に関する考慮: 駐車場が賃料に与える影響を分析します。
    駐車場が広いことが、必ずしも高い賃料に繋がらない場合があることを理解し、適切な評価を行います。
  • 土地の有効活用: 土地建物を一体として見た場合の、最適な活用方法を検討します。
    ロードサイド店舗以外の用途がないかどうかも考慮します。
  • 収益性の分析: 将来的な賃料収入や、運営コストなどを予測し、収益性を評価します。
  • 鑑定評価書の作成: 評価の根拠を明確にし、積算価格と収益価格の差について、詳細な説明を行います。
    なぜその差が生じているのか、市場環境や不動産の特性などを踏まえて、丁寧に記述します。

具体例:

あるロードサイド店舗の鑑定評価において、積算価格が1億円、収益価格が8,000万円だったとします。
この場合、鑑定評価書では、以下のような説明が考えられます。

「本物件は、広い駐車場を確保したロードサイド店舗であり、集客力は高いものの、周辺の賃貸事例から、賃料水準はそれほど高くありません。
また、土地建物を一体として見た場合、ロードサイド店舗以外の用途は考えにくく、他の用途への転用による収益性の向上も見込めません。
このため、積算価格は、土地建物の再調達原価を反映したものであり、収益価格は、実際の賃料収入を基に算出したものです。
積算価格と収益価格の差は、本物件の収益性、周辺の賃貸事例、市場環境などを総合的に考慮した結果であり、不自然なものではありません。」

アドバイス:
不動産鑑定評価は、単なる数字の羅列ではなく、不動産の特性や市場環境を読み解く、深い洞察力が必要です。

専門家に相談すべき場合とその理由

不動産鑑定評価は、専門的な知識と経験が必要です。
特に、ロードサイド店舗のような特殊な物件の場合、専門家のアドバイスが不可欠です。

以下のような場合は、不動産鑑定士に相談することをお勧めします。

  • 積算価格と収益価格の差が大きく、その理由が理解できない場合: 専門家は、その差が生じている原因を分析し、適切な評価方法を提案してくれます。
  • 不動産の売買や賃貸を検討している場合: 不動産の適正な価値を把握するために、専門家の鑑定評価が役立ちます。
  • 相続や税金に関する問題がある場合: 不動産の評価は、相続税や固定資産税の計算に影響します。専門家は、税務上の問題も考慮して、適切な評価を行います。
  • 不動産の有効活用を検討している場合: 専門家は、不動産の特性や市場ニーズを踏まえて、最適な活用方法を提案してくれます。

ポイント:
専門家は、不動産のプロフェッショナルです。
疑問や不安があれば、遠慮なく相談しましょう。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

ロードサイド店舗の不動産鑑定評価における重要なポイントを、改めて整理しましょう。

  • 積算価格と収益価格の関係: 積算価格が収益価格を上回ることは、必ずしも異常なことではありません。
    それぞれの評価方法の特徴と、市場環境を理解することが重要です。
  • 駐車場と賃料: 広い駐車場が、必ずしも高い賃料に繋がるとは限りません。
    周辺の賃貸事例を参考に、適切な賃料水準を把握しましょう。
  • 専門家の活用: 不動産鑑定評価は、専門的な知識と経験が必要です。
    疑問や不安があれば、不動産鑑定士に相談しましょう。

ロードサイド店舗の鑑定評価は、奥深いものです。
今回の解説が、少しでもお役に立てば幸いです。

最終的なアドバイス:
不動産鑑定評価は、知識と経験を積み重ねることで、より深く理解できるようになります。
積極的に学び、実践を通して、スキルアップを目指しましょう。

Editor's Picks

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

pagetop