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一人暮らしの兄の借金、相続放棄と保証人責任の関係とは?
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相続人全員が相続放棄した場合、保証人である私にアパートの退去費用が請求され続けるのかどうか知りたいです。また、相続放棄すれば保証人としての責任からも解放されるのか不安です。契約書には私の署名・捺印はありません。
相続放棄とは、相続開始があったことを知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述(申し出る)ことによって、相続財産(プラスの財産)と相続債務(マイナスの財産、借金など)の両方を受け継がないようにする制度です。(民法第915条)。相続放棄をすると、まるでその人が最初から相続人ではなかったかのように扱われます。
保証人とは、借主(このケースでは兄)が借金を返済できなくなった場合に、代わりに借金を返済する責任を負う人のことです。保証契約は、借主と保証人、そして貸主(不動産会社)の間で成立します。契約書に署名・捺印しているか否かに関わらず、保証人の名前と連絡先が記載されていれば、保証人としての責任が発生する可能性があります。
今回のケースでは、たとえ相続人全員が相続放棄をしたとしても、あなたが保証人として契約書に署名・捺印していなくても、不動産会社はあなたにアパートの退去費用(借金)の支払いを求めてくる可能性が高いです。なぜなら、保証人としての責任は、相続放棄とは別個に存在するからです。相続放棄は、相続財産と相続債務の承継を拒否する制度であって、保証人としての債務を免除するものではないのです。
関係する法律は主に民法です。民法では、保証契約に関する規定や、相続放棄に関する規定が定められています。具体的には、民法第465条(保証契約)、民法第915条(相続放棄)などが関連します。
多くの人が、「相続放棄すれば全ての責任から解放される」と誤解しがちです。しかし、相続放棄は相続財産・債務に関するものであり、それ以外の債務(例えば、保証債務)については、相続放棄しても責任が免除されるわけではありません。今回のケースのように、保証人として債務を負っている場合は、相続放棄をしても、その保証人責任は残ります。
不動産会社に連絡を取り、状況を説明し、交渉することが重要です。例えば、退去費用の一部負担や分割払いなどを交渉することで、負担を軽減できる可能性があります。また、弁護士などの専門家に相談し、法的観点からのアドバイスを受けることも有効です。
* 不動産会社との交渉が難航した場合
* 支払いが困難な金額を請求された場合
* 法的な手続きについて不安がある場合
これらの場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、あなたの権利を保護し、最適な解決策を提案してくれます。
相続放棄は、相続財産と相続債務の承継を拒否する制度であり、保証人責任とは別個に存在します。保証人欄に名前が記載されている場合、相続放棄をしても保証人責任は残る可能性が高いです。不動産会社との交渉や専門家への相談を検討することが重要です。早めの対応が、事態の悪化を防ぐことに繋がります。
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