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一般社団法人の土地売買、理事の権限逸脱と契約の有効性について解説

質問の概要

【背景】

  • 一般社団法人Aがあり、理事としてB、C、Dの3名がいます。
  • Aの定款では、土地を売却するには3人の理事全員の同意が必要と定められています。
  • Bが勝手に、Eとの間でAの土地売買契約を結んでしまいました。

【悩み】

  • Eが定款の制限を知っていた場合、BがCとDの同意を得ていると信じていたとしても、AはEに対して売買契約の効力を否定できるのか疑問に思っています。
  • 民法110条(表見代理)を使ってレポートを書く必要があり、どのように考えれば良いのか悩んでいます。

定款違反を知っていたEでも、Bを信じた場合は、Aは契約を覆せない可能性。民法110条(表見代理)が適用されるかどうかが重要です。

回答と解説

テーマの基礎知識:代理権と表見代理とは?

まず、今回の問題に関わる重要な法律用語を理解しましょう。

・代理権(だいりけん)

これは、他人(本人)のために、その人が直接行うのと同じ効果を生じさせる行為を、代理人が行うことができる権利のことです。例えば、会社の代表取締役(代理人)が会社(本人)を代表して契約を結ぶ場合などが該当します。

・表見代理(ひょうけんだいり)

代理権がない人(無権代理人)が、あたかも代理権を持っているかのように振る舞い、相手がそれを信じて取引をしてしまった場合に、本人を保護するために、その取引を有効としてしまう制度です。民法110条は、この表見代理に関する規定の一つです。

今回のケースでは、BはAの代表取締役であり、本来は理事全員の同意が必要な土地売買について、勝手に契約をしてしまった点が問題となります。Bには、定款の制限という形で代理権の制限があったと考えられます。

今回のケースへの直接的な回答:民法110条の適用可能性

今回のケースでは、民法110条が適用される可能性があります。民法110条は、代理人が、権限外の行為(代理権の範囲を超えた行為)をした場合でも、相手方が代理人に代理権があると信じることについて、正当な理由があった場合、本人(A)はその行為について責任を負う(契約を有効とみなす)というものです。

今回のケースで、Eが定款の制限を知っていたとしても、BがCとDの同意を得ていると信じたことに「正当な理由」があると判断される可能性があります。もしそうであれば、AはEに対して売買契約の効力を否定することは難しく、契約は有効とみなされる可能性が高いです。

つまり、EがBに代理権があると信じたことに落ち度がない、または信じることに合理的な理由があった場合、Aは契約を有効とせざるを得ない場合があります。

関係する法律や制度:民法110条の詳細

民法110条は、表見代理に関する重要な規定です。条文は以下の通りです。

「代理人がその権限外の行為をした場合において、相手方がその権限があると信ずべき正当な理由があるときは、本人は、その行為について責任を負う。」

この条文のポイントは、「相手方がその権限があると信ずべき正当な理由があるとき」という部分です。これは、相手方(E)が、代理人(B)に代理権があると信じたことについて、客観的に見て正当な理由があったかどうかを判断するということです。

判断する要素としては、

  • 取引の状況
  • 相手方の主観的な事情
  • 過去の取引の有無
  • Bの肩書きや地位
  • その他、様々な要素

などが考慮されます。

誤解されがちなポイントの整理:定款の制限と善意・悪意

今回のケースで、誤解されやすいポイントを整理しましょう。

・定款の制限を知っていたこと(悪意)の影響

Eが定款の制限を知っていた場合(悪意)、原則として民法110条は適用されません。しかし、EがBが他の理事の同意を得ていると信じた場合など、状況によっては例外的に適用される可能性もあります。

・「善意」と「悪意」

法律用語で「善意」とは、ある事実を知らないこと、「悪意」とは、ある事実を知っていることを意味します。今回のケースでは、Eが定款の制限を知っていたかどうかが、契約の有効性に大きく影響します。

もしEが定款の制限を知らなかった場合(善意)、そしてBがCとDの同意を得ていると信じるに足る状況があれば、民法110条が適用され、Aは契約を覆すことは難しくなります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介:契約締結時の注意点

今回のケースのような問題を避けるために、実務的なアドバイスをいくつか紹介します。

・契約締結前の確認

取引相手が法人の場合、代表者の権限や、必要な手続きについて、事前に確認することが重要です。具体的には、

  • 定款を確認する。
  • 理事会の議事録を確認する。
  • 代表者の印鑑証明書を確認する。

などを行うことで、相手方の権限や手続きに問題がないかを確認できます。

・契約書への記載

契約書には、代表者の権限や、必要な手続きについて明確に記載することが重要です。例えば、「本契約は、理事会決議を経ており、代表取締役〇〇が締結する権限を有することを確認する」といった条項を設けることで、後のトラブルを未然に防ぐことができます。

・具体例

例えば、不動産売買契約の場合、売主が法人の場合、登記簿謄本(とうほん)や定款を確認し、代表者の印鑑証明書と照合することで、その代表者に売買契約を締結する権限があるかどうかを確認することが一般的です。また、理事会の議事録を確認し、売買について承認を得ているかを確認することも重要です。

専門家に相談すべき場合とその理由:弁護士への相談

今回のケースのように、法的な判断が必要な場合は、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士に相談することで、

  • 民法110条の適用について、専門的な見地からのアドバイスを受けることができます。
  • 契約の有効性や、今後の対応について、的確なアドバイスを受けることができます。
  • 相手方との交渉や、訴訟になった場合の対応について、サポートを受けることができます。

一般社団法人の定款や、契約内容、取引の状況などを詳しく説明し、専門的なアドバイスを受けることで、より適切な対応を取ることが可能になります。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のケースの重要ポイントをまとめます。

  • 一般社団法人の土地売買において、理事の権限逸脱があった場合でも、民法110条(表見代理)が適用される可能性があります。
  • Eが定款の制限を知っていたとしても、Bが他の理事の同意を得ていると信じたことに「正当な理由」があれば、契約は有効となる可能性があります。
  • 契約締結前に、取引相手の権限や、必要な手続きについて、しっかりと確認することが重要です。
  • 法的な判断が必要な場合は、専門家である弁護士に相談しましょう。

今回のケースは、法的な知識だけでなく、事実関係の正確な把握も重要になります。弁護士に相談することで、より適切な解決策を見つけることができるでしょう。

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