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不動産売買契約後、売主死亡で契約が滞っている場合の対処法:相続問題と契約履行

【背景】
* 会社の事務所にするために不動産を購入し、売買契約を締結しました。
* 手付金は支払済みですが、所有権移転登記(所有権が買い主に移る手続き)はまだ済んでいません。
* 契約締結後に売主が亡くなり、相続問題で話が全く進んでいません。
* 引渡しの期日は1年以上も過ぎています。
* 売主の相続人からは「待ってくれ」と言われるだけで、具体的な対応がありません。
* 現在の事務所は貸事務所で、高額な家賃を払い続けています。

【悩み】
売主の相続問題が解決するまで、いつまでも待つしかないのでしょうか?現在の貸事務所の家賃を請求することはできますか?他に何かできる対処法があれば教えてください。

売主相続問題解決を促し、契約解除・損害賠償請求を検討

不動産売買契約と相続

不動産売買契約(不動産の売買に関する契約)は、売主が所有する不動産を買い主に引き渡すことを約束する契約です。契約には、売買代金、引渡し時期、所有権移転登記時期などが記載されています。 売主が死亡した場合、その権利義務は相続人に承継されます(民法第885条)。 つまり、売主の相続人が契約を引き継ぎ、買い主への不動産の引渡しや所有権移転登記を行う義務を負います。

今回のケースへの対応

質問者様のケースでは、売主の相続がもめており、契約履行が滞っています。 これは、相続人全員の合意が得られない限り、所有権移転登記ができないためです。 そのため、ただ待つだけでは解決しません。

民法上の規定と権利

民法では、契約の履行が遅延した場合、債権者(買い主)は履行の催告(相手方に履行を促す通知)を行い、それでも履行されない場合、契約を解除し、損害賠償を請求できます(民法第541条)。 質問者様は、相続人に対して履行の催告を行い、それでも対応がない場合は、契約解除と損害賠償請求を検討すべきです。 損害賠償には、現在の貸事務所の家賃も含まれる可能性があります。

誤解されやすい点:手付金と契約解除

手付金は、契約の成立を確実にするための担保として支払われます。 契約が履行されない場合、手付金の取扱いについては契約書に記載されている条項に従います。 通常、買い主が契約解除した場合、手付金を放棄し、売主が契約解除した場合、手付金の倍額を買い主に支払うことになっています。 しかし、今回のケースでは、売主側の債務不履行(契約を履行しないこと)が原因で契約が滞っているため、質問者様が手付金を放棄する必要はありません。

実務的なアドバイス:内容証明郵便と弁護士への相談

まずは、相続人全員に対して、内容証明郵便(配達記録が残る郵便)で履行催告を行いましょう。 内容証明郵便は、証拠として非常に有効です。 催告後も何らかの対応がない場合は、弁護士に相談し、法的措置を検討することをお勧めします。 弁護士は、契約解除や損害賠償請求の手続きをサポートし、相続人との交渉を代行してくれます。

専門家に相談すべき場合

相続問題が複雑化している場合、または相続人との交渉が難航している場合は、弁護士に相談することが重要です。 弁護士は法律の専門家であり、適切なアドバイスと法的措置を講じることができます。 また、不動産売買契約に詳しい司法書士(不動産登記手続きの専門家)に相談することも有効です。

まとめ:積極的な行動が重要

不動産売買契約は高額な取引です。 契約が滞っている場合、ただ待つのではなく、積極的に行動することが重要です。 内容証明郵便による催告、弁護士や司法書士への相談などを通じて、権利を主張し、損害を最小限に抑えましょう。 放置すればするほど、解決が難しくなり、損害も大きくなる可能性があります。

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