不動産登記の基礎知識：表題部所有者と所有権登記名義人の違いを徹底解説！

不動産登記の仕組み：表題部と所有権登記

不動産登記とは、簡単に言うと、不動産に関する情報を公的に記録しておく制度です。（登記所（法務局）に記録されます）。この登記には、大きく分けて「表題部」と「所有権その他権利部」があります。

表題部：不動産の住所録

表題部は、不動産そのものの情報を記録する部分です。まるで不動産の「住所録」のようなものです。具体的には、以下の情報が含まれています。

• 所在地：不動産の住所（都道府県、市区町村、町名、地番など）
• 地番：その土地の固有の番号。地図上で特定するために使われます。
• 地目：その土地の用途（例えば、宅地、田、畑など）。
• 面積：土地の広さ。
• 建物の構造、面積など：建物がある場合は、その構造（木造、鉄筋コンクリート造など）や面積なども記録されます。

つまり、表題部所有者とは、登記簿に記載されている「この不動産の所在地、地番、面積などの情報が正しい」と確認できる人、という意味になります。

所有権その他権利部：権利の所有者を記録

一方、「所有権その他権利部」は、その不動産に対する権利関係を記録する部分です。誰がこの不動産を所有しているのか、抵当権（担保として不動産を提供すること）が設定されているのかといった情報が記載されます。

所有権登記名義人とは、この部分に「所有者」として登録されている人のことです。つまり、法律上、その不動産の所有者として認められている人です。

表題部所有者と所有権登記名義人の違い：具体的な例

例えば、Aさんが土地を購入し、所有権登記の名義人をAさんとして登記しました。この場合、Aさんは所有権登記名義人です。そして、その土地の表題部は、土地の所在地、地番、面積などを正確に記録しています。

Aさんが土地の所有権をBさんに売却した場合、所有権登記の名義人がAさんからBさんに変更されます。しかし、表題部の情報は変わりません。土地そのものの情報（所在地、地番、面積など）は、所有者が変わっても変わりません。

関係する法律：不動産登記法

これらの登記に関するルールは、不動産登記法によって定められています。この法律に基づき、登記官が登記手続きを行い、登記簿を作成・管理しています。

誤解されがちなポイント：表題部と所有権は別物

表題部と所有権登記は、それぞれ異なる情報を記録するものです。表題部所有者と所有権登記名義人が必ずしも一致するとは限りません。例えば、所有権登記の名義人が間違っていたり、登記がされていない場合でも、表題部は正しい情報を示している可能性があります。

実務的なアドバイス：登記簿の確認方法

不動産を購入する際には、必ず登記簿を確認しましょう。登記簿は法務局で閲覧できます。専門家（司法書士など）に依頼して確認してもらうのも良いでしょう。

専門家に相談すべき場合：複雑なケース

不動産の売買や相続など、複雑な手続きを行う際には、司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、登記手続きに関する豊富な知識と経験を持っています。

まとめ：表題部と所有権登記の重要性

表題部と所有権登記は、不動産取引において非常に重要な役割を果たします。それぞれ異なる情報を記録しており、両者の違いを理解することは、不動産に関するトラブルを避けるために不可欠です。 不動産に関する疑問点があれば、専門家に相談することをお勧めします。