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不動産登記簿は真実の鏡?―FP3級試験問題で学ぶ登記簿の落とし穴と安全な不動産取引

【背景】
FP3級の過去問を解いていたら、「不動産の取引においては、不動産登記簿の内容を真実であると信用して取引を行っても、権利が取得できない場合がある」という問題がありました。正解は「正しい」だったのですが、どのような場合に権利が取得できないのか解説がなく、よく分かりません。

【悩み】
不動産登記簿の内容を信用して取引しても、権利が取得できないケースについて具体的に知りたいです。どのような状況でそのようなことが起こるのか、そして、安全に不動産取引を行うためにはどうすれば良いのかを理解したいです。

登記簿に記載された内容が必ずしも真実とは限らないため、権利取得できないケースが存在します。

不動産登記簿の役割と限界

不動産登記簿(不動産登記簿:不動産の所有者や権利関係を公的に記録した簿冊)は、不動産の所有者や抵当権などの権利関係を記録した公的な書類です。不動産取引においては、この登記簿の内容が重要な役割を果たします。しかし、登記簿はあくまで「公示」の役割を果たすものであり、その内容が必ずしも真実であるとは限りません。つまり、登記簿に記載されている情報が、現実の状況と一致しない場合があるのです。

権利取得できないケース:具体例

例えば、AさんがBさんから不動産を購入し、登記簿上はAさんが所有者として登録されたとします。しかし、実はBさんにはその不動産を売却する権利がなかった場合(所有権がないのに売却した場合)、Aさんはたとえ善意(善意:不正な意図がないこと)で、かつ、過失なく(過失:注意義務を怠ったこと)取引を行ったとしても、真の所有者から所有権を主張される可能性があります。この場合、Aさんは権利を取得できません。

他にも、登記されていない権利(未登記権利:登記簿に記載されていない権利)が存在する場合も同様です。例えば、売買契約前に、所有権の一部を他人に譲渡する権利(地上権:土地の上に建物を建てる権利など)が存在していたのに、それが登記簿に記載されていなかった場合、その権利者は所有権を主張してくる可能性があります。

関係する法律:民法

これらのケースは、主に民法(民法:私人間の権利義務を定めた法律)によって規定されています。特に、所有権の取得や、善意取得(善意取得:善意で、かつ過失なく取得した不動産の所有権を保護する制度)の要件などが関係してきます。

誤解されがちなポイント:登記簿=真実

不動産取引において、登記簿の内容を絶対的な真実と捉えてしまうのは危険です。登記簿はあくまで公的な記録であり、その内容が常に正確であるとは限らないことを理解しておく必要があります。

実務的なアドバイス:徹底的な調査と専門家への相談

安全な不動産取引を行うためには、登記簿の確認だけでなく、以下の点を徹底することが重要です。

  • 所有権の確認:売主の所有権が明確に確認できる書類(所有権証明書など)を提出させる。
  • 抵当権などの権利関係の確認:登記簿に抵当権などの権利が設定されていないかを確認する。
  • 未登記権利の有無の調査:売主から、未登記の権利がないことの確認書を取得する。
  • 専門家への相談:不動産会社や弁護士、司法書士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受ける。

専門家に相談すべき場合

不動産取引は高額な取引であり、複雑な法律知識が必要となります。少しでも不安を感じたり、疑問点があれば、不動産会社や弁護士、司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。特に、複雑な権利関係がある場合や、高額な不動産取引を行う場合は、専門家のアドバイスを受けることが不可欠です。

まとめ:登記簿はあくまで参考資料

不動産登記簿は不動産取引において重要な役割を果たしますが、その内容が必ずしも真実であるとは限りません。安全な不動産取引を行うためには、登記簿の確認に加え、徹底的な調査と専門家への相談が不可欠です。 登記簿はあくまで参考資料として活用し、専門家の意見を参考にしながら、慎重に進めることが重要です。

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