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不動産競売:競売土地上のボロ家(目的外建物)が競売にかからない理由とは?
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債務者が、価値のない目的外建物を競売にかけない理由がわかりません。債務者は目的外建物に住んでおらず、地代を支払うつもりもないように思えます。一体なぜ、ボロ家を競売に出さないのでしょうか?その理由を詳しく知りたいです。
まず、競売(競売法に基づく強制執行)について、基本的な知識を確認しましょう。競売とは、債務者が債務を履行しない場合、債権者が裁判所に申し立て、債務者の財産を売却して債権を回収する制度です。競売物件には、土地や建物だけでなく、動産なども含まれます。
今回のケースでは、競売対象となる土地に、競売建物と目的外建物の2つの建物が存在します。目的外建物とは、競売の対象となっている土地に存在するものの、競売の対象とされていない建物を指します。
法定地上権(民法210条)とは、建物を所有する者が、土地の所有者に対して、その土地の上に建物を存置し、かつ、その土地を使用する権利を有する権利です。目的外建物に法定地上権が設定されているということは、目的外建物の所有者が、その土地を使用する権利を持っていることを意味します。
債務者が価値のない目的外建物を競売に出さない理由は、主に以下の2点に集約されます。
1. **解体費用>売却益:** 老朽化した目的外建物を解体するには、多額の費用がかかります(解体費用)。しかし、その建物の売却益はほとんど期待できません。解体費用を差し引くと、むしろマイナスになる可能性が高いのです。そのため、競売にかけるメリットがないと判断されたと考えられます。
2. **手続きの煩雑さ:** 目的外建物の競売手続きは、競売建物と比較して複雑になります。法定地上権の存在や、建物の老朽化による安全性の問題など、様々な課題をクリアする必要があります。これらの手続きにかかる費用と手間を考えると、競売にかけるメリットが小さくなります。
このケースでは、民法(特に法定地上権に関する規定)と競売法が関係します。民法は、不動産に関する権利関係を規定しており、法定地上権の成立要件や効力を定めています。競売法は、競売手続きの方法や手順を規定しています。
法定地上権の存在が、必ずしも目的外建物を競売に出せない理由にはなりません。法定地上権は、建物の所有者が土地を使用する権利を有することを意味するだけで、競売手続きを妨げるものではありません。しかし、競売参加者にとって、法定地上権の存在は、建物の売却や解体に関するリスクを増加させる要因となります。
競売に参加する際には、目的外建物の存在とその状態を十分に確認する必要があります。現況調査報告書を丁寧に読み、写真や現地調査で建物の状態を把握することが重要です。解体費用を考慮した上で、入札価格を決定する必要があります。
不動産競売は専門的な知識と経験が必要な手続きです。競売物件の価値判断や、法定地上権などの権利関係に不安がある場合は、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談することをお勧めします。
今回のケースで、債務者が価値のない目的外建物を競売に出さない理由は、解体費用が売却益を上回り、手続きも煩雑になるため、費用対効果が低いと判断されたためです。競売に参加する際には、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に判断することが重要です。
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