権利関係事項あり物件ってどんな物件?基礎知識を解説!
不動産物件の情報を見ていると、「権利関係事項あり」という表示を見かけることがあります。これは、その物件の権利関係に何らかの注意点があるという意味です。具体的にどのような状況を指すのか、詳しく見ていきましょう。
まず、不動産の権利関係とは、その物件を所有したり、利用したりする権利のことです。例えば、所有権(その物件を自由に使える権利)だけでなく、抵当権(住宅ローンを借りた場合に、万が一返済できなくなった場合に、金融機関がその物件を売って貸したお金を回収できる権利)や、賃借権(その物件を借りて利用できる権利)など、様々な権利が存在します。
「権利関係事項あり」という表示がある場合、これらの権利関係に何らかの複雑さや注意点がある可能性が高いです。具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- 抵当権の設定: 住宅ローンが残っている場合など。
- 差押え: 税金滞納などにより、物件が差し押さえられている場合。
- 共有名義: 複数の人が所有している場合。
- 未登記の権利: 登記されていない権利(例:長期間の賃借権)が存在する場合。
- その他の権利関係: 境界線の問題、通路に関する権利など。
これらの状況は、物件の購入や利用に影響を与える可能性があります。そのため、「権利関係事項あり」の物件を購入する際には、慎重な調査と専門家への相談が不可欠です。
今回のケースへの直接的な回答:抵当権の可能性と売主の事情
今回の質問にあるように、「権利関係事項 あり」という表示がある場合、最も可能性として考えられるのは、抵当権です。売主が住宅ローンを返済し終えていない場合、その物件には抵当権が設定されたままになっていることがあります。
売主が売却代金で借金を返済しようとしているケースも十分に考えられます。この場合、売買契約と同時に、抵当権抹消の手続きが行われるのが一般的です。つまり、売主は売却代金の一部を使って住宅ローンを完済し、抵当権を消滅させるのです。しかし、この手続きがスムーズに進まない場合、購入者に不利益が生じる可能性があります。
したがって、「権利関係事項 あり」の物件を購入する際には、抵当権が本当に抹消されるのか、売買代金の流れがどうなっているのかなど、詳細を確認する必要があります。
関係する法律や制度:不動産登記と権利関係
不動産の権利関係を理解する上で、重要なのが不動産登記制度です。これは、土地や建物に関する権利関係を公的に記録する制度です。登記簿(とうきぼ)と呼ばれる書類に、所有者の氏名や住所、抵当権の設定状況などが記載されています。
不動産登記は、権利関係を明確にし、取引の安全を確保するために重要な役割を果たしています。例えば、抵当権が設定されているかどうかは、登記簿を見ればすぐに分かります。購入者は、登記簿を確認することで、その物件にどのような権利関係があるのかを事前に知ることができます。
不動産に関する法律としては、民法が重要です。民法は、所有権や抵当権など、様々な権利に関する基本的なルールを定めています。また、不動産取引に関するルールは、宅地建物取引業法によって定められています。宅地建物取引業者は、この法律に基づき、重要事項の説明や契約書の作成などを行います。
誤解されがちなポイント:権利関係事項あり=危険な物件?
「権利関係事項あり」と聞くと、「何か問題がある物件なのでは?」と不安に感じるかもしれません。しかし、必ずしもそうとは限りません。権利関係に注意すべき点があるだけで、物件自体が悪いわけではないのです。
例えば、売主が住宅ローンを返済中であり、売却代金で返済するケースは珍しくありません。この場合、きちんと手続きが行われれば、購入者は安心して物件を取得できます。ただし、手続きが複雑であったり、売主の事情で遅延が発生したりする可能性もあるため、注意が必要です。
重要なのは、「権利関係事項あり」の物件は、必ず専門家による調査と確認が必要であるということです。専門家の助言を得ながら、慎重に検討すれば、問題なく購入できるケースも多くあります。
実務的なアドバイスと具体例:購入前のチェックポイント
「権利関係事項あり」の物件を購入する際には、以下の点に注意しましょう。
- 重要事項説明書の確認: 宅地建物取引業者は、重要事項説明書(じゅうようじこうせつめいしょ)を作成し、物件に関する重要な情報を購入者に説明する義務があります。権利関係に関する事項も、この説明書に詳しく記載されています。不明な点があれば、必ず質問しましょう。
- 登記簿謄本の取得と確認: 登記簿謄本(とうきぼとうほん)を取得し、権利関係の詳細を確認しましょう。抵当権が設定されている場合は、その金額や債権者(金融機関など)を確認します。
- 売買契約書の確認: 売買契約書には、売買代金の支払い方法や、抵当権抹消に関する条項などが記載されています。契約内容をよく確認し、不明な点は必ず質問しましょう。特に、抵当権抹消が売買契約の条件になっているか(解除条件)を確認することは重要です。
- 専門家への相談: 弁護士や司法書士などの専門家に相談し、権利関係に関する問題点やリスクについてアドバイスを受けましょう。場合によっては、専門家による調査を依頼することも検討しましょう。
- 売主との交渉: 売主との間で、抵当権抹消の手続きや、売買代金の支払い方法について交渉することが必要になる場合があります。
具体例:
Aさんは、中古住宅の購入を検討していました。物件情報には「権利関係事項 あり」と記載されていたため、不動産業者に確認したところ、売主の住宅ローンが残っていることが判明しました。Aさんは、司法書士に相談し、売買契約と同時に抵当権抹消の手続きを行うことを確認しました。売買代金から住宅ローンの残債を支払い、抵当権を抹消することで、Aさんは安心して物件を購入することができました。
専門家に相談すべき場合とその理由:リスクを回避するために
「権利関係事項あり」の物件を購入する際には、専門家への相談が不可欠です。特に、以下のような場合には、必ず専門家に相談しましょう。
- 権利関係が複雑な場合: 抵当権以外にも、複数の権利関係が絡み合っている場合や、未登記の権利が存在する場合は、専門家による詳細な調査が必要です。
- 売主との交渉が難航する場合: 売主との間で、抵当権抹消の手続きや、売買代金の支払い方法について交渉がうまくいかない場合は、専門家のサポートが必要になります。
- リスクを正確に把握したい場合: 権利関係に関するリスクを正確に把握し、安心して購入を決めたい場合は、専門家の意見を聞くことが重要です。
相談すべき専門家としては、弁護士、司法書士、土地家屋調査士などが挙げられます。弁護士は、法的問題に関するアドバイスや、交渉の代行を行います。司法書士は、不動産登記に関する手続きを行います。土地家屋調査士は、土地や建物の測量や、境界に関する調査を行います。
専門家への相談費用はかかりますが、リスクを回避し、安心して不動産取引を進めるためには、必要な投資と考えましょう。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の質問に対する重要なポイントをまとめます。
- 「権利関係事項あり」とは、その不動産の権利関係に何らかの注意点があるという意味です。
- 最も可能性が高いのは、売主の住宅ローンが残っている場合です。
- 購入前に、重要事項説明書や登記簿謄本を確認し、権利関係の詳細を把握しましょう。
- 専門家(弁護士、司法書士など)に相談し、リスクを評価してもらいましょう。
- 売買契約書の内容をよく確認し、抵当権抹消に関する条項を確認しましょう。
- 売主との交渉が必要になる場合もあります。
「権利関係事項あり」の物件は、慎重な調査と専門家のサポートがあれば、問題なく購入できる可能性があります。焦らず、冷静に状況を判断し、適切な対応を心がけましょう。

