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両親が同時に亡くなった場合の相続:借金と財産の複雑な関係を徹底解説
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母が持っていた財産は相続したいのですが、父の借金も相続してしまうのか心配です。両親が同時に亡くなった場合、母の財産だけを相続し、父の借金は相続放棄できるのか知りたいです。両親が離婚していたり、片親ずつ亡くなった場合は、相続する財産と放棄する借金を分けて処理できると思うのですが、婚姻関係にある両親が同時に亡くなった場合はどうすれば良いのでしょうか?
相続とは、人が亡くなった(これを「相続開始」と言います)際に、その人の財産(プラスの財産だけでなく、借金などの負債も含まれます)が、法律で定められた相続人に引き継がれることです。相続人は、民法で定められており、配偶者と子(質問者さんの場合)が該当します。
両親が同時に亡くなった場合、どちらが先に亡くなったかを判断することが困難です。このような場合、民法では「同時死亡推定」という規定が適用されます。これは、死亡時刻が不明な場合、相続開始の順位を決定するために、相続人同士が同時に死亡したものと推定するルールです。この場合、それぞれの相続人が相続開始時点において既に死亡しているため、それぞれの相続財産は、それぞれの相続人の相続人に引き継がれます。つまり、質問者さんは、母親の相続人として母親の財産を相続し、父親の相続人として父親の借金を相続することになります。しかし、この借金については、後述する相続放棄を選択できます。
相続放棄とは、相続人が相続開始があったことを知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述することで、相続財産(プラスの財産とマイナスの財産、つまり借金も含む)を一切相続しないことを宣言できる制度です。質問者さんは、父親の借金を相続したくない場合は、父親の相続開始を知ってから3ヶ月以内に相続放棄の手続きを行うことで、借金を相続する責任から解放されます。
相続に関する法律は、主に民法(特に第885条以降の相続に関する規定)に規定されています。相続放棄の手続きについても、民法に詳細な規定があります。また、相続税法も関係してきますが、相続税の発生要件を満たさない場合は、相続税の申告は不要です。
両親が同時に亡くなった場合でも、それぞれの相続財産は別々に扱われます。母の財産と父の借金を合算して相続するか放棄するか、という1択ではありません。それぞれの相続について、別々に相続するか放棄するかを選択できます。
相続放棄の手続きは、家庭裁判所で行います。専門の弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。手続きには期限があるので、迅速な対応が重要です。また、相続放棄をする前に、相続財産の状況を正確に把握しておく必要があります。そのため、相続財産目録を作成したり、銀行や金融機関に問い合わせたりする必要があります。
相続は、法律的な知識や手続きが複雑なため、専門家の助けが必要な場合があります。特に、多額の借金や不動産、複数の相続人がいる場合などは、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。専門家は、相続財産の調査、相続放棄の手続き、相続税の申告など、様々な面でサポートしてくれます。
両親が同時に亡くなり、片方が多額の借金を抱えている場合でも、相続放棄制度を利用することで、借金を相続する責任から逃れることができます。しかし、相続手続きは複雑なため、専門家である弁護士や司法書士に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。早めの行動が、精神的な負担軽減にも繋がります。
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