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中古マンション売却後のクレーム対応:現状維持と値引き交渉の落とし穴

【背景】
中古マンションを売却しました。買主さんは現状維持を条件に、全室リフォームを希望し、リフォーム費用に見合う価格の10%(270万円)を値引きしました。

【悩み】
引渡し後、買主さんからフローリングの染み、エアコンの取り外し費用、蛇口の硬さなどを理由にクレームが来ています。現状維持で値引きもしているので、これらの費用を負担する義務があるのか不安です。不動産仲介業者からは費用負担を求められています。

現状維持の合意と値引き額を考慮すると、追加費用負担義務はない可能性が高いです。

中古マンション売買における現状維持の定義

中古マンションの売買において「現状維持」とは、売買契約締結時点での物件の状態を維持することを意味します(民法)。 これは、物件に瑕疵(かし:欠陥)がないことを意味するわけではありません。 例えば、経年劣化による傷や汚れなどは、通常は現状維持の範囲内とみなされます。 ただし、売主が故意に隠蔽した瑕疵(例えば、雨漏りを隠していたなど)については、責任を負う可能性があります。 今回のケースでは、買主さんがリフォームを希望した時点で、ある程度の瑕疵は承知の上での売買とみなせる可能性があります。

今回のケースへの対応:値引きと瑕疵担保責任

今回のケースでは、買主さんはリフォームを前提に、270万円もの値引きを受け入れています。この値引きには、発見されていない瑕疵(フローリングの染みなど)に対する補償が含まれていると解釈できる余地があります。 買主さんが内見時に気づかなかった瑕疵について、売主が故意に隠蔽していたのでなければ、瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん:売買契約において、売買物件に欠陥があった場合、売主が買主に負う責任)を問われる可能性は低いでしょう。 エアコンの取り外し費用や蛇口の硬さについても、現状維持の範囲内と判断される可能性が高いです。

関係する法律:民法と売買契約

このケースでは、民法(特に売買に関する規定)が関係します。民法では、売買契約の当事者間の合意に基づいて、売買条件が決定されます。現状維持の合意、値引き交渉、そして引渡し後のクレーム対応は、全てこの契約に基づいて判断されます。 契約書の内容を精査することが重要です。

誤解されがちなポイント:現状維持と完全な無欠性

「現状維持」は、物件に一切の欠陥がないことを保証するものではありません。 経年劣化による傷や汚れ、通常の使用による摩耗などは、現状維持の範囲内と解釈されることが多いです。 買主さんは、リフォームによってこれらの問題を解消することを前提に購入している可能性が高いです。

実務的なアドバイス:証拠の確保と冷静な対応

買主さんからのクレームに対しては、冷静に対応することが重要です。 内見時の写真や動画、契約書のコピーなどを証拠として保管しておきましょう。 これらの証拠は、後々のトラブルを避けるために非常に役立ちます。 不動産仲介業者には、契約書に基づいた対応を求めましょう。

専門家に相談すべき場合:法的紛争の可能性

買主さんとの交渉が難航したり、法的紛争に発展する可能性がある場合は、弁護士や不動産専門家に相談することをお勧めします。 専門家のアドバイスを受けることで、適切な対応策を講じることができます。

まとめ:現状維持と値引きのバランス

中古マンション売買において「現状維持」は絶対的なものではなく、契約内容や状況によって解釈が異なります。今回のケースでは、買主さんがリフォームを前提に大幅な値引きを受け入れている点から、追加費用負担義務はない可能性が高いです。 しかし、状況によっては法的紛争に発展する可能性もあるため、証拠をしっかり確保し、必要に応じて専門家に相談することが重要です。 契約書の内容をしっかり理解し、交渉にあたることをお勧めします。

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