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中古住宅購入と隣地共有ガス配管:重要事項説明と費用負担請求の可能性

【背景】
中古の一戸建て住宅を購入しました。不動産仲介業者を通しての取引です。解体工事中に、隣家と共有の都市ガス配管が敷地内にあることが判明しました。家の基礎工事をする際に、この配管を撤去する必要があり、隣家のために新しいガス配管を新たに設置しなければいけません。私の家はオール電化なので、ガス配管は不要です。

【悩み】
不動産仲介業者に、重要事項説明でこの共有配管について説明がなかったため、隣家のガス配管新設費用を請求することは可能でしょうか?重要事項説明に不備があった場合、費用負担を請求できるのか知りたいです。

重要事項説明不備の可能性あり。状況次第で費用負担請求の可能性も。

1.不動産重要事項説明と法的な位置づけ

不動産の売買契約は、非常に高額な取引であり、複雑な手続きが伴います。そのため、売主と買主の間でトラブルを防ぐために、宅地建物取引業法(宅建業法)という法律で、不動産業者には「重要事項説明」を行うことが義務付けられています。(宅建業法第35条)この説明は、契約前に必ず行われなければならず、書面で交付される必要があります。説明内容は、物件の瑕疵(かし:欠陥)や権利関係など、契約に大きく影響する事項が含まれています。

2.今回のケースにおける重要事項説明の不備の可能性

質問者さんのケースでは、隣家との共有ガス配管の存在が重要事項説明で明記されていなかった可能性があります。この配管の存在は、解体工事や基礎工事の費用、そして隣家への配管新設費用といった、購入費用に大きな影響を与える重要な事項と言えるでしょう。もし、この事実が説明されておらず、それが契約に影響を与えたと判断できる場合、重要事項説明不備に該当する可能性があります。

3.宅地建物取引業法と重要事項説明不備

宅建業法では、重要事項説明に不備があった場合、契約の解除や損害賠償請求などの権利が買主(質問者さん)に認められています。ただし、請求できる損害は、重要事項説明の不備によって直接的に被った損害に限られます。

4.誤解されがちなポイント:説明義務と告知義務

重要事項説明は、不動産業者にとって「説明義務」です。一方、売主には「告知義務」があります。説明義務と告知義務は、どちらも重要な義務ですが、その対象や責任の所在が異なります。重要事項説明は、不動産業者による説明が中心ですが、売主も重要事項を正確に業者に伝える義務を負っています。今回のケースでは、売主が共有配管の存在を業者に伝えていなかった可能性も考えられます。

5.実務的なアドバイスと具体例

まず、不動産仲介業者に、重要事項説明書のコピーと、共有ガス配管に関する全ての書類(工事見積もりなど)を請求しましょう。そして、重要事項説明書に共有配管に関する記載がないことを確認し、その不備によって被った損害(隣家への配管新設費用など)を具体的に提示して、費用負担の交渉を開始します。交渉がまとまらない場合は、弁護士や宅建協会などに相談することをお勧めします。

6.専門家に相談すべき場合とその理由

交渉が難航したり、業者との間で意見の食い違いが解消しない場合は、弁護士や宅建協会に相談することを強くお勧めします。専門家は法律の知識と交渉経験を活かし、適切なアドバイスやサポートをしてくれます。特に、損害賠償請求を検討する際には、専門家の助言が不可欠です。

7.まとめ:重要事項説明の確認は必須

不動産取引では、重要事項説明書の確認は非常に重要です。契約前に、説明内容を丁寧に確認し、不明な点はすぐに質問することが大切です。些細な点でも疑問があれば、専門家に相談するのも有効な手段です。今回のケースのように、後から思わぬ費用負担が発生する可能性も考慮し、契約前に十分な情報収集と確認を行うようにしましょう。

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