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事実婚解消と共有財産の分割:シニア世代のケースにおける法的整理と注意点

【背景】
夫を亡くし、遺族年金で生活している私(女性)は、数年前に定年退職した男性と事実婚を始めました。彼の土地に、私たち2人で費用を負担して(私の名義の土地に、私の6:彼の4の割合で)建物を建て替えました。ローンはありません。最近、性格の不一致から解消したいと考えています。

【悩み】
事実婚を解消する場合、共有財産である建物の私の持ち分を彼に支払って、出て行ってもらうことは可能でしょうか?住民票はそれぞれ別世帯です。年金はそれぞれが受け取っています。

可能です。共有持分の買取で解消できます。

回答と解説

事実婚と法律

事実婚(事実上の婚姻関係)とは、法律上の婚姻届を提出せずに、夫婦として生活している状態です。法律上は婚姻関係ではないため、婚姻関係と同様の法的保護は受けられません。 しかし、財産関係については、民法上の共有関係や不当利得(相手方に不当に利益を与えた場合に、その利益を返還させる権利)といった規定が適用される場合があります。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様と男性は、建物の所有権を共有しています(持分は6:4)。質問者様が男性に建物の持分4/10相当の金額を支払うことで、男性が建物を明け渡すという合意が成立すれば、事実婚解消は可能です。これは、共有物の分割(民法257条)に基づく解決方法です。 合意が成立すれば、公正証書(公証役場で作成される法的効力のある文書)を作成しておくことが、後々のトラブル防止に役立ちます。

関係する法律や制度

* **民法(共有、不当利得):**共有財産の分割や、不当な利益の返還に関する規定が適用されます。
* **公正証書:**合意内容を法的文書として残すことで、将来的な紛争を予防できます。

誤解されがちなポイントの整理

事実婚解消は、離婚とは異なり、裁判所の審判を必要としません。合意に基づいて解決することが原則です。しかし、合意が成立しない場合、裁判による解決(共有物分割請求)も可能です。 また、建物の建築費用負担割合が6:4であることは、所有権の割合を示唆しますが、必ずしもそれに一致するとは限りません。 合意がない場合、裁判所は双方の貢献度などを考慮して、所有権の割合を決定します。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

男性との間で、建物の評価額を算出し、その4/10を支払う金額を明確にしましょう。不動産会社に依頼して、建物の適正価格を査定してもらうことが重要です。 また、支払方法(一括、分割など)や明け渡し時期なども、事前に明確に合意しておく必要があります。 これらの合意事項は、公正証書に記載することで法的効力を持ちます。

専門家に相談すべき場合とその理由

* 合意形成が困難な場合
* 建物の評価額に異議がある場合
* 法律的な知識が不足していると感じた場合

弁護士や司法書士に相談することで、適切な法的アドバイスを受け、スムーズな事実婚解消を進めることができます。特に、高額な財産が絡む場合や、合意形成が難しい場合は、専門家の介入が不可欠です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

事実婚解消は、当事者間の合意が最も重要です。共有財産である建物の持分を買い取ることで解消できます。 しかし、合意が難しい場合や、法律的な知識に不安がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。 公正証書の作成は、後々のトラブルを防ぐために非常に有効な手段です。 建物の評価額の算出、支払方法、明け渡し時期など、全ての事項を明確に合意し、文書に残しておくことが重要です。

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