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亡き祖父の不動産名義変更と建替え:行方不明相続人への対応と手続き
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行方不明の相続人にどう連絡を取り、名義変更を進めるべきか分かりません。また、建替えや改築、不動産の処分は可能なのか、その手続きについても不安です。
不動産の名義変更は、所有権の移転を登記(不動産登記)することで行われます。相続が発生した場合、相続人全員が相続手続きを行い、法定相続分(法律で決められた割合)に従って所有権を取得します。 相続人が複数いる場合は、全員の同意を得て名義変更を行うのが一般的です。
今回のケースのように、相続人の一部が行方不明の場合、民法(日本の民法)に基づき、公告(裁判所を通して行う公示送達と、市町村役場を通して行う一般公告の2種類があります。一般公告は、相続財産が比較的少額で、相続人の所在が全く不明な場合に用いられます。)を行うことで、その存在を知らせることができます。公告は、裁判所を通じて行われ、一定期間、官報(かんぽう)(国の機関紙)や地元新聞などに掲載されます。公告期間中は、行方不明の相続人が名乗り出る機会が与えられます。
公告の手続きは、弁護士や司法書士などの専門家(法律のプロ)に依頼するのが一般的です。彼らは、公告に必要な書類の作成や、裁判所への提出、公告期間中の対応などを代行してくれます。 手続きには、相続関係を証明する戸籍謄本(こせきとうほん)や、不動産の登記簿謄本(とうきぼとうほん)などが必要になります。
公告期間が終了し、行方不明の相続人から異議申し立て(自分の権利を主張すること)がなければ、相続手続きを進めることができます。 その後、相続人全員の同意を得て、不動産の名義変更登記を行います。
建替えを行うには、建築基準法(けんちくきじゅんほう)(建物を建てる際のルールを定めた法律)の規制に適合する必要があります。 建ぺい率(けんぺいりつ)(敷地面積に対する建物の面積の割合)や容積率(ようせきりつ)(敷地面積に対する建物の体積の割合)、防火規制(防火のための規制)、日照(ひしょう)(日当たり)や通風(つうふう)(風通し)に関する規制など、様々な制限があります。 古い建物がこれらの規制に適合していない場合、建替えが許可されない可能性があります。
建替えを行うには、建築確認申請(けんちくかくにんしんせい)(建築する建物の設計が建築基準法に適合しているかを確認してもらう手続き)を行う必要があります。 申請には、設計図書(せっけいとしよ)(建物の設計図など)や、構造計算書(こうぞうけいさんしょ)(建物の強度を計算した書類)などが必要になります。
既存の建物が、現在の建築基準法に適合していないにも関わらず、建築基準法施行前に建築されたため、合法的に存在している状態を既存不適格といいます。既存不適格な建物は、原則として現状維持しか認められず、改築や増築も制限されます。建替えについても、既存不適格部分の解消が求められるケースがあり、許可が下りない可能性があります。
建築基準法の規制に適合しない場合、建替えが難しいこともあります。その場合は、改築(一部を改修すること)を検討するか、不動産を売却することも選択肢となります。 改築についても、建築基準法の規制に適合する範囲内でしか行えません。
相続手続きや不動産に関する法律は複雑です。行方不明相続人への対応や、建替えに関する手続きは、弁護士や司法書士、土地家屋調査士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、個々の状況に合わせた適切なアドバイスと手続きのサポートをしてくれます。
「告示」という言葉は、一般的に「公告」と混同されがちです。公告は裁判所を通して行う公示送達と、市町村役場を通して行う一般公告の2種類があります。告示は、行政機関が公式に発表するという意味で、今回のケースでは、公告が適切な表現です。
まずは、戸籍謄本を取得し、相続人の状況を正確に把握することから始めましょう。行方不明の相続人については、親戚や知人などに情報を求めるなど、できる限りの調査を行いましょう。
亡き祖父の不動産名義変更と建替えは、相続法と建築基準法の知識が必要な複雑な手続きです。行方不明相続人の存在は手続きを困難にしますが、公告という手段を用いることで解決できる可能性があります。専門家への相談は、スムーズな手続きを進めるために不可欠です。 焦らず、一つずつ丁寧に手続きを進めていきましょう。
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