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亡くなった名義の不動産と固定資産税:相続と滞納、司法書士の対応

【背景】
* 平成20年8月1日、不動産の名義人が亡くなりました。
* 法定相続人3名は仲が悪く、遺産分割協議がなかなか進みませんでした。
* そのため、相続による所有権移転登記がされず、不動産は亡くなった人の名義のままです。
* 亡くなった人の名義で固定資産税が請求され、相続人Aだけが請求を受けていましたが、滞納していました。
* 平成24年12月28日、遺産分割調停が成立し、相続人Bが不動産を相続することになりました。
* 平成25年1月4日、司法書士が登記事項証明書を取得したところ、固定資産税滞納による差押登記がされていました。

【悩み】
相続人Bは、固定資産税の滞納について何も知らされておらず、司法書士がどのように対処すべきか困っています。特に、司法書士が税理士資格を持っていないことが問題になっています。

司法書士は、税理士と連携し滞納分の精査と納付手続きを行う。

回答と解説

テーマの基礎知識:固定資産税と相続

固定資産税とは、土地や家屋などの固定資産を所有している人が、毎年支払う地方税です(地方税法)。相続が発生した場合、相続開始(被相続人が死亡した日)の時点で、相続財産に含まれます。相続人は、遺産分割協議(相続人同士で遺産の分け方を決める協議)を行い、誰がどの財産を相続するかを決めます。相続が完了すると、相続人はその財産について所有権を取得し、固定資産税の納税義務を負います。

今回のケースへの直接的な回答

今回のケースでは、相続人Aが固定資産税を滞納し、その結果、差押登記が行われています。相続人Bは、遺産分割調停により不動産を相続しましたが、過去の滞納分について責任を負うことになります。司法書士は、まず滞納分の固定資産税を精査し、その後、相続人Bが滞納分を納付する手続きを行う必要があります。

関係する法律や制度

* **地方税法**: 固定資産税に関する法律です。
* **民法**: 相続に関する法律です。遺産分割協議や相続の効力などが規定されています。
* **国税徴収法**: 税金の滞納に対する差し押さえなどの強制執行に関する法律です。

誤解されがちなポイントの整理

* **司法書士は税理士ではない**: 司法書士は、不動産登記手続きなどの専門家ですが、税理士資格は持っていません。税金に関する専門的な知識や手続きは税理士に依頼する必要があります。
* **相続開始時点での所有権**: 相続開始時点では、相続財産は相続人全員に共有されます。そのため、固定資産税の請求は、相続人全員に対して行われるべきですが、実際には、自治体の対応によって、特定の相続人に請求が集中することもあります。
* **滞納責任**: 遺産分割協議が成立する前に滞納された固定資産税は、原則として相続人全員が連帯して責任を負います。しかし、遺産分割協議で不動産の相続人が特定された後は、その相続人が責任を負うことになります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

司法書士は、以下の手順で対応すべきです。

1. **税理士への相談**: まず、税理士に相談し、滞納分の固定資産税の金額や納付方法について確認します。
2. **滞納分の精査**: 税理士と共に、滞納期間、金額、延滞金などを正確に把握します。
3. **自治体への連絡**: 自治体に連絡し、滞納状況を確認し、納付手続きを進めます。
4. **納付手続き**: 相続人Bに代わって、滞納分の固定資産税を納付します。
5. **差押登記の抹消**: 滞納分を納付した後、差押登記の抹消手続きを行います。

専門家に相談すべき場合とその理由

複雑な相続問題や高額な固定資産税の滞納がある場合、司法書士と税理士の両方に相談することが重要です。特に、相続人間に争いがある場合や、税金に関する専門的な知識が必要な場合は、専門家のアドバイスを受けるべきです。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

亡くなった名義の不動産の固定資産税滞納問題は、相続と税金に関する知識が不可欠です。司法書士は、税理士と連携し、滞納分の精査、納付手続き、差押登記抹消手続きを行う必要があります。相続問題や税金に関する専門的な知識がない場合は、専門家に相談することが重要です。 早めの対応が、トラブルの拡大を防ぎ、円滑な解決に繋がります。

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