示談斡旋って何?交通事故解決への第一歩
交通事故に遭うと、加害者と被害者の間で損害賠償(事故によって生じた損害を金銭で補償すること)について話し合う必要があります。この話し合いを「示談交渉」と言います。示談交渉がスムーズに進まない場合、専門家が間に入って解決をサポートする「示談斡旋」という制度があります。
示談斡旋とは、中立的な立場の第三者(多くは弁護士や専門家)が、当事者双方の主張を聞き、合意形成をサポートする手続きのことです。裁判のように判決が出るわけではありませんが、専門家の知見を借りて、より公平で円満な解決を目指すことができます。
日弁連の事故相談センターと交通事故紛争処理センターの違い
今回の質問にあるように、示談斡旋を依頼できる窓口には、主に以下の2つがあります。
- 日弁連の事故相談センター: 日本弁護士連合会が運営する相談窓口です。全国各地に設置されており、弁護士による相談や、示談交渉のサポートを受けることができます。
- 交通事故紛争処理センター: 各都道府県に設置されている、交通事故に関する紛争解決を専門とする機関です。弁護士や専門家が紛争の解決をサポートします。
どちらも示談斡旋を行いますが、それぞれに特徴があります。日弁連の事故相談センターは、弁護士による専門的なアドバイスを受けられる点が強みです。交通事故紛争処理センターは、より専門性の高い解決を求める場合に適しています。
どちらを選ぶ?ケース別の選択肢
どちらの機関を選ぶかは、状況によって異なります。以下に、それぞれの機関が適しているケースをまとめました。
- 日弁連の事故相談センターが適しているケース
- 初めての交通事故で、何から手をつければ良いか分からない。
- 弁護士に相談する前に、まずはアドバイスを受けたい。
- 費用を抑えて相談したい。
- 交通事故紛争処理センターが適しているケース
- 損害賠償額について、専門的な判断が必要となる。
- 相手方との交渉が難航している。
- 裁判になる前に、専門的な解決をしたい。
示談斡旋の流れと、関係する法律や制度
示談斡旋は、一般的に以下のような流れで進みます。
- 相談・申立て: まずは、相談したい機関に連絡し、相談や申立てを行います。
- 事実確認: 専門家が、事故の状況や損害について、当事者双方から話を聞き、事実関係を確認します。
- 斡旋: 専門家が、当事者双方の主張を整理し、解決案を提示するなどして、合意形成をサポートします。
- 合意: 当事者双方が解決案に合意すれば、示談成立となります。
交通事故に関する主な法律としては、
- 道路交通法: 交通事故の際の責任や、運転者の義務などを定めています。
- 自動車損害賠償保障法(自賠法): 交通事故による被害者の救済を目的としており、自賠責保険への加入を義務付けています。
- 民法: 交通事故における損害賠償責任の根拠となる法律です。
これらの法律に基づいて、示談交渉や示談斡旋が行われます。
誤解されがちなポイント
示談斡旋について、よくある誤解を整理しておきましょう。
- 誤解1: 示談斡旋は、必ずしも解決を保証するものではない。
→ 示談斡旋は、あくまで合意形成をサポートするものであり、最終的な解決は当事者の合意によります。 - 誤解2: 示談斡旋は、裁判よりも時間がかかる。
→ 示談斡旋は、裁判よりも短期間で解決できることが多いです。 - 誤解3: 専門家が、必ずしも自分の味方をしてくれるわけではない。
→ 示談斡旋を行う専門家は、中立的な立場であり、どちらかの肩を持つことはありません。
実務的なアドバイスと具体例
スムーズな示談解決のためには、以下の点に注意しましょう。
- 証拠の収集: 事故の状況を記録した証拠(写真、ドライブレコーダーの映像、目撃者の証言など)を、できる限り多く集めておきましょう。
- 情報収集: 交通事故に関する情報を集め、自分の状況に合った解決策を検討しましょう。インターネットや書籍、専門家への相談などを活用できます。
- 誠実な対応: 相手方との交渉では、誠実な態度で臨むことが大切です。感情的にならず、冷静に話し合いましょう。
具体例:
例えば、日弁連の事故相談センターで相談し、弁護士から適切なアドバイスを受けたことで、保険会社との交渉がスムーズに進み、納得のいく示談が成立したケースがあります。
一方、交通事故紛争処理センターで、専門的な知見に基づいた解決案が提示され、裁判にならずに円満に解決できたケースもあります。
専門家に相談すべき場合とその理由
以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 過失割合(事故の責任割合)で争いがある場合: 専門的な判断が必要となるため、弁護士に相談することをお勧めします。
- 損害賠償額が大きく、高額な賠償請求が見込まれる場合: 専門的な知識と交渉力が必要となるため、弁護士に依頼することをお勧めします。
- 相手方との交渉が難航している場合: 弁護士に依頼することで、交渉を円滑に進めることができます。
- 後遺障害が残った場合: 適切な賠償を受けるためには、専門的なサポートが必要となります。
専門家は、あなたの権利を守り、最善の解決策を提案してくれます。
まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)
交通事故の示談斡旋について、今回の重要ポイントをまとめます。
- 示談斡旋には、日弁連の事故相談センターと交通事故紛争処理センターの2つがある。
- どちらを選ぶかは、状況によって異なる。
- 日弁連の事故相談センターは、弁護士によるアドバイスを受けたい場合に適している。
- 交通事故紛争処理センターは、専門的な解決を求める場合に適している。
- 証拠収集、情報収集、誠実な対応が、スムーズな解決の鍵となる。
- 過失割合や損害賠償額で争いがある場合、または相手との交渉が難航している場合は、専門家への相談を検討する。
交通事故は、誰もが巻き込まれる可能性がある問題です。適切な知識と対応で、より良い解決を目指しましょう。

