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任意売却物件の転売、詐害行為になる?不動産会社の自社買取を解説

【背景】

  • 任意売却物件を専門に扱う不動産会社が、債務者から物件を買い取り、転売して利益を得ている。
  • これらの会社は、市場価格よりも低い価格で買い取る傾向がある。
  • 債権者との交渉を経て抵当権を抹消するが、この価格が適正かどうかで問題が生じる可能性がある。

【悩み】

  • 不動産会社の自社買取による利益が、債権者の損害につながるのではないかと懸念している。
  • 抵当権者の同意があっても、市場価格とかけ離れた価格での取引は詐害行為になる可能性があるのか疑問に思っている。
  • 一般債権者から詐害行為として訴えられる可能性についても不安を感じている。

債務者と不動産会社の取引が詐害行為と判断されるかは、取引の状況や意図によって変わります。専門家への相談が重要です。

不動産任意売却と詐害行為:基礎知識

任意売却とは、住宅ローンなどの返済が困難になった場合に、債務者(お金を借りた人)と債権者(お金を貸した金融機関など)の合意のもとで、不動産を売却する方法です。裁判所を通さずに売却できるため、競売よりも高い価格で売却できる可能性があります。一方、詐害行為とは、債務者が自分の財産を減らすことで、債権者(お金を貸した人)への弁済を妨げる行為のことです。詐害行為と判断されると、その取引は取り消される可能性があります。

今回のケースでは、不動産会社が任意売却物件を債務者から買い取り、転売して利益を得る行為が、詐害行為に該当するかどうかが問題となっています。ポイントは、その取引が債権者の権利を害する意図があったかどうか、そして、取引価格が適正であったかどうかです。

任意売却物件の自社買取:今回のケースへの直接的な回答

不動産会社が任意売却物件を債務者から買い取り、転売する行為自体は、直ちに詐害行為とは言えません。しかし、いくつか注意すべき点があります。

まず、不動産会社が市場価格よりも著しく低い価格で物件を買い取った場合、債権者が本来受け取れるはずだった金額を減らすことになり、詐害行為と判断される可能性があります。次に、不動産会社が転売によって大きな利益を得ることを目的としていた場合、その行為が債権者を害する意図があったと見なされる可能性もあります。

最終的な判断は、裁判所が個々の取引の状況を総合的に判断して決定します。したがって、一概に「詐害行為になる」とか「ならない」と言い切ることはできません。

関係する法律と制度

この問題に関係する主な法律は、民法です。民法には、債権者を害する行為(詐害行為)を取り消すことができるという規定があります。

具体的には、民法424条において、債務者が債権者を害することを知って行った法律行為(例えば、不動産の売買)は、債権者が裁判所に申し立てることによって取り消すことができると定められています。

また、破産法も関係してくる場合があります。債務者が破産した場合、破産管財人(裁判所によって選任される、破産者の財産を管理・処分する人)は、詐害行為に該当する取引を取り消すことができます。

誤解されがちなポイント

この問題でよく誤解される点として、以下のようなものがあります。

  • 抵当権者の同意があれば、詐害行為にはならないという誤解: 抵当権者の同意は、詐害行為の判断において一つの要素にはなりますが、それだけで詐害行為が否定されるわけではありません。他の債権者の権利を不当に害していると判断されれば、詐害行為として取り消される可能性があります。
  • 市場価格での取引であれば、詐害行為にはならないという誤解: 市場価格での取引であっても、債権者を害する意図があったと認められれば、詐害行為と判断される可能性があります。例えば、債務者が特定の債権者に有利になるように、市場価格よりも低い価格で不動産を売却するようなケースです。
  • 不動産会社の利益が大きければ、必ず詐害行為になるという誤解: 不動産会社の利益の大きさだけで、詐害行為と判断されるわけではありません。利益の大きさは、判断の一つの要素にはなりますが、取引の目的や経緯、債権者への影響などを総合的に考慮して判断されます。

実務的なアドバイスと具体例

任意売却物件の取引を検討する際には、以下の点に注意することが重要です。

  • 適正な価格での取引: 不動産の売買価格は、専門家による査定(不動産鑑定士など)を参考に決定し、市場価格とかけ離れた価格での取引は避けるべきです。
  • 債権者への説明: 債権者に対して、取引の目的や価格、その根拠などを丁寧に説明し、理解を得るように努めるべきです。
  • 記録の保存: 取引に関する書類(売買契約書、査定書、債権者とのやり取りの記録など)をきちんと保管し、万が一、詐害行為として訴えられた場合に備える必要があります。
  • 弁護士への相談: 不安な点がある場合は、事前に弁護士に相談し、法的リスクについてアドバイスを受けることをお勧めします。

具体例:

Aさんは、住宅ローンの返済が滞り、任意売却を検討していました。不動産会社B社は、Aさんの物件を市場価格よりも20%低い価格で買い取り、すぐに転売して大きな利益を得ました。この取引について、他の債権者から、B社がAさんの財産を不当に減らし、債権者を害する意図があったとして、詐害行為として訴えられる可能性があります。

専門家に相談すべき場合とその理由

以下のような場合は、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談することをお勧めします。

  • 取引価格の適正性について判断に迷う場合: 不動産鑑定士に査定を依頼し、客観的な市場価格を把握することが重要です。
  • 詐害行為に該当するリスクについて不安がある場合: 弁護士に相談し、法的リスクについてアドバイスを受けることで、安心して取引を進めることができます。
  • 債権者との交渉がうまくいかない場合: 弁護士に交渉を依頼することで、円滑な解決を図ることができます。
  • 債権者から訴訟を起こされた場合: 速やかに弁護士に相談し、適切な対応をとる必要があります。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回の質問のポイントは、任意売却物件の自社買取が詐害行為になる可能性があるかどうか、ということでした。結論としては、

  • 不動産会社の自社買取が詐害行為になるかどうかは、取引の状況や意図によって判断される。
  • 市場価格よりも著しく低い価格での取引や、債権者を害する意図がある場合は、詐害行為と判断されるリスクがある。
  • 専門家(弁護士、不動産鑑定士)に相談し、法的リスクや価格の適正性についてアドバイスを受けることが重要。

任意売却は、債務者にとって最後の希望となることもあります。しかし、安易な取引は、更なる問題を招く可能性もあります。専門家の助言を得ながら、慎重に進めることが大切です。

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