建設業許可の基礎知識:なぜ必要なのか?
建設業許可は、建設工事を請け負う際に必要となる許可です。これは、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護することを目的としています。建設業法という法律に基づいており、建設工事の種類や請け負う金額によって、許可が必要かどうかが決まります。
具体的には、建設業許可が必要なのは、
- 元請、下請に関わらず、1件の工事の請負代金が500万円以上(消費税込み)の場合
です。ただし、軽微な工事(500万円未満の工事)のみを請け負う場合は、許可は不要です。
今回のケースへの直接的な回答:許可が必要な場合と不要な場合
ご質問のケースについて、建設業許可が必要かどうかを具体的に見ていきましょう。ポイントは、請け負う工事が「建設工事」に該当するかどうか、そして請負金額が500万円以上かどうかです。
それぞれのケースについて、建設業許可の要否をまとめます。
- 1. 樹木の伐採、除根、集積、運搬、処分を一括で請け負う場合: 建設工事に該当する可能性が高く、許可が必要となる可能性が高いです。特に、除根のためにバックホーを使用し、不整地運搬車が通行できる道を作る行為は、土木工事の一部とみなされる可能性があります。
- 2. 伐採行為のみを引き受ける場合: 建設工事に該当するかどうかは、伐採の規模や方法によります。単なる樹木の伐採は、建設工事とはみなされないこともありますが、土地の造成を目的とした伐採であれば、建設工事とみなされる可能性があります。
- 3. 重機を使った集積行為(道づくり含む)のみを引き受ける場合: 土木工事の一部とみなされる可能性が高く、建設業許可が必要となる可能性が高いです。
- 4. 収集運搬のみを引き受ける場合: 収集運搬自体は建設工事ではありません。ただし、建設工事に伴う産業廃棄物の収集運搬であれば、建設業許可ではなく、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要となります。
- 5. 積込も含めて収集運搬を引き受ける場合(バックホーを使用): 上記4と同様に、建設業許可ではなく、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要となります。バックホーで積み込む行為は、建設工事とはみなされにくいです。
- 6. 堤防での草刈り、集積、運搬、処分を受注する場合: 草刈り自体は建設工事ではありませんが、堤防の維持修繕を目的としたものであれば、土木工事の一部とみなされる可能性があり、建設業許可が必要となる場合があります。
関係する法律や制度:建設業法と産業廃棄物処理法
今回のケースでは、建設業法と産業廃棄物処理法の両方が関係してきます。
- 建設業法: 建設工事を請け負う際の許可や、建設業者の義務などを定めています。
- 産業廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律): 産業廃棄物の処理に関する許可や、処理業者の義務などを定めています。
今回のケースでは、伐採や除根によって発生した廃棄物の運搬や処分も行っているため、産業廃棄物処理業の許可も必要となります。質問者様はすでに産業廃棄物処理業の許可をお持ちとのことですので、その点は問題ありません。
誤解されがちなポイントの整理:許可の種類と適用範囲
建設業許可には、いくつかの種類があります。今回のケースで関係してくるのは、以下の2つです。
- 一般建設業許可: 請負金額に関わらず、すべての建設工事を請け負うことができます。
- 特定建設業許可: 下請けに出す金額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)になる場合に必要となります。
今回のケースでは、下請けに出す金額が3,000万円とのことですので、特定建設業許可は必要ありません。ただし、今後、より大きな工事を請け負う可能性がある場合は、特定建設業許可の取得も検討する必要があります。
実務的なアドバイスや具体例の紹介:許可取得の手続き
建設業許可を取得するには、いくつかの手続きが必要です。
- 許可の種類を選択する: 一般建設業許可または特定建設業許可のどちらを取得するかを決定します。
- 許可の要件を満たす: 建設業許可には、経営業務管理責任者や専任技術者の配置、財産的基礎など、いくつかの要件があります。これらの要件を満たしている必要があります。
- 必要書類を準備する: 許可申請に必要な書類(会社の登記簿謄本、決算書、技術者の資格証明書など)を準備します。
- 申請書を提出する: 申請書類を、建設業を管轄する都道府県知事または国土交通大臣に提出します。
- 審査を受ける: 申請内容について審査が行われます。
- 許可を受ける: 審査に合格すれば、建設業許可が交付されます。
許可取得の手続きは複雑なため、専門家(行政書士など)に相談することをお勧めします。
専門家に相談すべき場合とその理由:判断に迷ったら
建設業許可が必要かどうか、ご自身で判断するのが難しい場合は、専門家に相談することをお勧めします。具体的には、以下のケースが考えられます。
- 工事内容が複雑で、建設工事に該当するかどうかの判断が難しい場合。
- 許可の要件を満たしているかどうかの判断が難しい場合。
- 許可申請の手続きが複雑で、自分で行うのが難しい場合。
専門家(行政書士や弁護士など)に相談することで、適切なアドバイスを受けることができ、スムーズに許可を取得することができます。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の質問の重要ポイントをまとめます。
- 建設業許可は、建設工事を請け負う際に、一定の金額以上の工事で必要になります。
- 請け負う工事の内容によって、建設工事に該当するかどうかが判断されます。
- 伐採、除根、集積、運搬、処分を一括で請け負う場合は、建設業許可が必要となる可能性が高いです。
- 収集運搬のみの場合は、建設業許可ではなく、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要となります。
- 建設業許可の取得には、専門家への相談が有効です。
建設業許可に関する判断は、専門的な知識が必要となる場合があります。不明な点があれば、専門家に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

