住宅ローンの支払いが滞った場合の基礎知識

住宅ローンは、家を購入する際に金融機関からお金を借りる契約です。毎月決まった日に、決められた金額を返済していくのが基本ですが、ボーナス時にまとまった金額を支払う「ボーナス払い」を設定している人もいますね。

もし住宅ローンの支払いが滞ると、金融機関はいくつかの対応を取ることができます。
まず、電話や手紙などで督促(支払いのお願い)が行われます。
それでも支払いがされない場合、金融機関は「期限の利益の喪失」という手続きを行います。
これは、分割で支払う権利を失い、残りのローンを一括で支払うように請求されることです。

一括で支払えない場合、金融機関は担保となっている家を差し押さえ、最終的には競売(裁判所を通じて家を売却すること)の手続きを取ることがあります。
競売で得られたお金は、ローンの返済に充てられます。

今回のケースへの直接的な回答

ご相談者の場合、休職中で収入が減り、ボーナス払いが難しい状況とのこと。
ボーナス払いができなくても、すぐに家が競売にかけられるわけではありません。
まずは、住宅ローンを借りている金融機関に相談することが重要です。

金融機関は、ご相談者の状況に合わせて、いくつかの対応策を提案してくれる可能性があります。
例えば、ボーナス払いの金額を減らしたり、支払いを猶予したり(一定期間、支払いを待ってもらうこと)といった方法です。
また、金利の見直しや、他のローンへの借り換えを提案されることもあります。

関係する法律や制度

住宅ローンに関連する法律としては、民法や、住宅ローンの契約内容を定めた契約書が挙げられます。

また、今回のケースで活用できる可能性のある制度としては、以下のものがあります。

  • 住宅ローン減税(住宅ローン控除):住宅ローンを利用している人が、一定期間、所得税や住民税を減税できる制度です。
  • 傷病手当金:病気やケガで会社を休んだ場合に、健康保険から支給される手当です。休職中の生活を支える重要な収入源となります。
  • 生活保護:収入が少なく生活に困窮する場合、国や地方自治体から生活費の援助を受けられる制度です。最終的な手段として検討できます。

誤解されがちなポイント

住宅ローンの問題でよくある誤解として、「滞納したらすぐに家を追い出される」「競売になったら何も残らない」といったものがあります。

実際には、金融機関は、顧客の状況を考慮し、様々な対応策を検討します。
また、競売になった場合でも、売却代金からローンの残債を差し引いた金額が手元に残る可能性もあります(ただし、残債を上回る売却益が出た場合)。

もう一つの誤解として、「弁護士に相談すると、すぐに競売を回避できる」というものがあります。
弁護士は、法的な手続きや交渉をサポートしてくれますが、必ずしも競売を回避できるわけではありません。
しかし、適切なアドバイスを受けることで、より良い解決策を見つけられる可能性は高まります。

実務的なアドバイスと具体例

まずは、住宅ローンを借りている金融機関に連絡し、現在の状況と今後の見通しを正直に伝えましょう。
電話だけでなく、窓口で直接相談することもできます。
金融機関の担当者は、ご相談者の状況を理解し、具体的な解決策を提案してくれるはずです。

例えば、ボーナス払いの金額を減額してもらう、あるいは、ボーナス払いを一時的に停止し、毎月の返済額に組み込んでもらうといった方法があります。
金融機関によっては、返済期間を延長することで、月々の返済額を減らすことも可能です。

具体的な例として、ある40代男性が、病気で休職し収入が減少したため、住宅ローンの支払いが困難になったケースを考えてみましょう。
彼は、まず金融機関に相談し、現在の状況と今後の見通しを説明しました。
その結果、ボーナス払いを一時的に停止し、毎月の返済額を減額してもらうことができました。
さらに、傷病手当金を受け取りながら、復職に向けて治療に専念することができ、最終的には職場復帰を果たし、住宅ローンも無事に完済することができました。

専門家に相談すべき場合とその理由

以下のような場合は、専門家への相談も検討しましょう。

  • 金融機関との交渉がうまくいかない場合:専門家は、金融機関との交渉を代行し、より有利な条件を引き出せる可能性があります。
  • 法的知識が必要な場合:競売の手続きや、債務整理(借金の減額や免除を求める手続き)など、専門的な知識が必要な場合は、弁護士に相談しましょう。
  • 精神的な負担が大きい場合:住宅ローンの問題は、精神的な負担が大きくなりがちです。専門家は、法的なアドバイスだけでなく、精神的なサポートも提供してくれます。

相談できる専門家としては、弁護士、司法書士、ファイナンシャルプランナーなどが挙げられます。

  • 弁護士:法的な手続きや交渉を専門としています。競売の手続きや、債務整理など、法的知識が必要な場合に相談しましょう。
  • 司法書士:登記手続きや、債務整理に関する書類作成などを専門としています。
  • ファイナンシャルプランナー:家計の見直しや、資産運用に関するアドバイスを提供します。住宅ローンの問題だけでなく、将来的なライフプランについても相談できます。

まとめ

今回の重要ポイントをまとめます。

  1. 住宅ローンの支払いが困難になった場合は、まず金融機関に相談しましょう。
  2. ボーナス払いができなくても、すぐに家が競売になるわけではありません。
  3. 金融機関は、状況に応じて、様々な対応策を提案してくれます。
  4. 専門家(弁護士、司法書士、ファイナンシャルプランナーなど)への相談も検討しましょう。
  5. 焦らず、冷静に、問題を解決するための行動を起こしましょう。

住宅ローンの問題は、一人で抱え込まず、専門家や金融機関に相談することで、解決への道が開けるはずです。
ご自身の状況に合わせて、適切な対応をとってください。