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個人民事再生における清算価値計算:家のローンと土地の名義が複雑な場合の解説

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個人民事再生(こじんみんじさいせい)は、借金で苦しんでいる人が、裁判所の認可を得て、借金を減額してもらい、原則3年(最長5年)で返済していくための手続きです。この手続きを始めるにあたって、重要なのが「清算価値」の計算です。
清算価値とは、もし今の財産を全て売却して借金を返済した場合に、手元に残る財産の価値のことです。個人民事再生では、この清算価値以上の金額を原則として返済していく必要があります(これを「清算価値保障原則」と言います)。
例えば、清算価値が100万円と計算された場合、最低でも100万円は返済しなければならない、ということです。
今回のケースでは、家と土地の名義が異なり、住宅ローンがあるという複雑な状況です。清算価値を計算する上で、まず大切なのは、誰がどの財産を所有しているのかを正確に把握することです。
・土地:母名義
・建物:父名義
・住宅ローン:父名義(根抵当権設定あり)
この状況で、父の清算価値を計算する際、以下の点が重要になります。
1. 建物の価値評価:建物がどの程度の価値があるのかを評価します。築年数や状態、立地などによって価値は変動します。
2. 住宅ローンの扱い:父名義の住宅ローンは、建物の価値から差し引くことができます。ただし、根抵当権が設定されているため、注意が必要です(根抵当権については後述します)。
3. 土地の扱い:土地は母名義のため、原則として父の清算価値には含まれません。ただし、土地と建物の関係性によっては、間接的に影響を与える可能性もあります。
例として、家と土地の合計価値が1000万円、住宅ローンの残高が500万円の場合を考えてみましょう。
建物の価値が500万円と評価されたとします。この場合、父の清算価値は、建物の価値500万円からローンの残高500万円を差し引いた金額、つまり0円となる可能性があります。
ただし、建物の価値が低い場合(例えば、老朽化が進んでいるなど)、ローンの残高の方が大きくなり、マイナスになることもあり得ます。この場合、オーバーローン(超過債務)の状態と呼ばれます。
個人民事再生に関連する法律や制度について、いくつか重要な点があります。
・民事再生法:個人民事再生の手続きを定めている法律です。
・清算価値保障原則:個人民事再生において、最低限返済しなければならない金額を決める原則です。
・根抵当権(ねていとうけん):住宅ローンなどの担保として設定される権利です。通常の抵当権と異なり、継続的な取引を担保することができます。根抵当権が設定されている場合、債務者が破産や民事再生を申し立てても、債権者は優先的に弁済を受けることができます。今回のケースでは、住宅ローンに根抵当権が設定されているため、債権者は優先的に弁済を受ける権利があります。
・財産分与(ざいさんぶんよ):夫婦共有の財産を離婚時に分ける制度です。今回のケースでは、離婚を前提としたものではありませんが、夫婦間の財産の所有関係を考える上で参考になる場合があります。
個人民事再生に関する誤解として、以下のようなものがあります。
・名義が別々でも財産は夫婦共有?:いいえ、原則として、名義は所有者を決定する重要な要素です。今回のケースでは、土地は母、建物は父の名義なので、それぞれが単独で所有しているとみなされます。ただし、夫婦間の協力によって財産が形成された場合など、例外的なケースもあります。
・住宅ローンが残っていれば家は必ず手放す?:いいえ、必ずしもそうではありません。個人民事再生では、住宅ローン特則を利用することで、住宅ローンを支払い続けることを条件に、家を残せる可能性があります。
・清算価値が高ければ再生は難しい?:必ずしもそうとは限りません。清算価値が高い場合、それ以上の金額を返済する必要がありますが、返済計画を立てることで再生できる可能性はあります。
個人民事再生を検討するにあたって、実務的なアドバイスをいくつかご紹介します。
・専門家への相談:弁護士や司法書士などの専門家に相談することが重要です。個々の状況に合わせて、最適なアドバイスや手続きのサポートを受けることができます。
・財産調査:自身の財産を正確に把握することが大切です。不動産の価値やローンの残高、その他の資産をリストアップし、専門家と共有しましょう。
・住宅ローン特則の検討:住宅を残したい場合は、住宅ローン特則を利用できるか検討しましょう。
・返済計画の立案:清算価値に基づいて、無理のない返済計画を立てることが重要です。専門家と相談しながら、現実的な計画を作成しましょう。
具体例として、建物の価値が低く、住宅ローンの残高が上回っている場合、オーバーローンの状態となり、清算価値は0円となる可能性があります。この場合、個人民事再生の手続きを進める上で、有利に働くことがあります。
今回のケースのように、住宅ローンの問題や財産の名義が複雑な場合は、必ず専門家(弁護士や司法書士)に相談しましょう。その理由は以下の通りです。
・専門的な知識と経験:専門家は、個人民事再生に関する専門的な知識と豊富な経験を持っています。複雑な問題を正確に理解し、適切なアドバイスをすることができます。
・手続きの代行:専門家は、個人民事再生の手続きを代行してくれます。書類作成や裁判所とのやり取りなど、煩雑な手続きをスムーズに進めることができます。
・最適な解決策の提案:専門家は、個々の状況に合わせて、最適な解決策を提案してくれます。住宅を残す方法や、無理のない返済計画など、様々な選択肢を検討することができます。
・債権者との交渉:専門家は、債権者との交渉を代行してくれます。
今回のケースでは、個人民事再生における清算価値の計算方法について解説しました。
・清算価値は、原則として所有資産の評価額から負債を差し引いて計算されます。
・土地と建物の名義が異なる場合、それぞれの所有権に基づいて計算されます。
・住宅ローンがある場合は、ローンの残高が清算価値に影響します。
・専門家に相談し、個々の状況に合わせたアドバイスを受けることが重要です。
個人民事再生は、借金問題を解決するための有効な手段の一つです。しかし、手続きは複雑であり、専門的な知識が必要です。
ご自身の状況に合わせて、専門家のアドバイスを受けながら、最適な解決策を見つけてください。
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