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債務超過者の相続財産売却!金銭債権者AはCとDに請求できる?徹底解説

【背景】
知人のBが私(A)に1000万円の借金をしていて、なかなか返済してくれませんでした。Bは他の借金もあって、返済の見込みが全くない状態でした。そんな中、Bの親が亡くなり、土地を相続したと知りました。その後、Bは相続した土地を時価より安く友人のCに売却し、CはさらにDに転売したそうです。

【悩み】
Bから借金をしているお金は、もう諦めるしかないのでしょうか?Bが相続した土地を売却したことで、何かしらの方法で借金を回収できる可能性はあるのでしょうか?CやDに請求することはできるのでしょうか?

Bの債務超過状態と土地売却の状況から、AはCとDに対して、一定の条件下で請求できる可能性があります。

債務超過と詐害行為取消権について

まず、債務超過(負債が資産を上回る状態)にあるBが、債権者であるAへの返済能力を著しく低下させるような行為をした場合、Aは「詐害行為取消権」(さがいこういとりけしきょくけん)を行使できる可能性があります。これは、債務者が債権者を害する目的で財産を処分した場合、その行為を取り消し、債権者の利益を守るための権利です。

今回のケースへの直接的な回答

今回のケースでは、Bが時価より安く土地を売却した行為が、Aに対する債務を逃れるための行為(詐害行為)とみなせるかどうかがポイントになります。 BがCに安く売却した理由、BとCの関係性、土地の売買価格の妥当性などが、裁判で争われる可能性があります。

もし、裁判所がBの行為を詐害行為と判断した場合、AはCに対して、土地の売買契約の取消し(土地をBに戻す)を請求できます。そして、その土地を換価(売却)して、1000万円の債権を回収できます。

しかし、Cが善意(悪意なく、Bの詐害行為を知らなかった)で土地を購入していた場合、AはCに対して直接請求することは困難です。ただし、CがDに転売した利益がある場合、その利益の一部をAが請求できる可能性があります。

Dについても、Cが善意であった場合、Dは詐害行為取消権の対象外となる可能性が高いです。しかし、DがCから土地を購入する際に、Bの債務超過や土地の安価な売却価格について知っていた場合、共謀(共同で不正な行為を行うこと)があったと判断されれば、AはDに対しても請求できる可能性があります。

民法上の規定

このケースは、民法90条(詐害行為取消権)が適用される可能性があります。この条項は、債務者が債権者を害する目的で財産を処分した場合、債権者がその行為を取り消すことができることを定めています。 具体的には、債務者の行為が「故意」であり、「債権者を害する目的」があったこと、そしてその行為によって「債権者の回収が困難になった」ことを証明する必要があります。

誤解されがちなポイントの整理

「時価より安く売却した」という事実だけでは、必ずしも詐害行為とは限りません。例えば、Bに緊急の資金が必要だった、あるいはCが特別な事情で安く購入できたなど、正当な理由があれば、詐害行為とは認められません。 裁判所は、売買価格の妥当性、売買の経緯、当事者間の関係性などを総合的に判断します。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

Aは、まずBに対して債権回収の督促(債務の返済を要求すること)を行い、それでも返済がない場合は、弁護士に相談して、詐害行為取消請求訴訟を起こすことを検討するべきです。 弁護士は、証拠集めや裁判手続きをサポートし、Aの権利保護に役立ちます。 証拠としては、借用書、土地の売買契約書、土地の鑑定書などが重要になります。

専門家に相談すべき場合とその理由

このケースは、法律の専門知識が必要となる複雑な問題です。 債務超過、詐害行為取消権、民法の解釈など、一般の人には理解が難しい点が多くあります。 そのため、弁護士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。 専門家は、ケースの状況を正確に判断し、最適な戦略を提案してくれます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

Bの土地売却が詐害行為に当たるかどうかは、様々な要素を総合的に判断する必要があります。 Aは、弁護士に相談し、証拠を収集して、適切な法的措置を講じるべきです。 早めの行動が、債権回収の可能性を高めます。 単に「安く売却した」という事実だけでは、必ずしも請求できるわけではありませんので、注意が必要です。

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