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兄の会社が倒産、私名義の土地に設定された根抵当権はどうなる?

【背景】

  • 私名義で100坪の土地を所有しています。
  • その土地には、兄が経営する会社の根抵当権が設定されています。極度額は1200万円です。
  • 数年前に兄の会社が経営難に陥り、債務が債権回収会社に譲渡されました。
  • その後、兄は失踪してしまいました。
  • 債権回収会社との交渉は難航し、今年中に任意売却を迫られています。
  • 債務は極度額1200万円に加えて、延滞金や損害金を含め1600万円に膨れ上がっています。

【悩み】

  • 知り合いから、極度額の1200万円を完済すれば抵当権を外せる、と聞きました。
  • 債権回収会社からの通知にも、物上保証分は極度額の範囲で返済すれば良い、と記載されています。
  • 抵当権を抹消するには、1200万円で済むのか、それとも1600万円を支払う必要があるのか、判断に迷っています。

極度額の1200万円を返済すれば、根抵当権を抹消できる可能性があります。ただし、詳細な状況確認が必要です。

根抵当権とは? 基礎知識を分かりやすく解説

不動産の世界では、様々な専門用語が出てきます。まずは、今回のテーマである「根抵当権」について、基本的な知識を整理しましょう。

根抵当権(ねていとうけん)とは、継続的な取引から生じる不特定多数の債権(お金を貸した権利など)を担保するために設定される抵当権の一種です。通常の抵当権と異なり、借入額の上限(極度額)が定められており、その範囲内であれば、借入と返済を繰り返すことができます。

  • 抵当権:お金を借りた人が返済できなくなった場合に、担保となっている不動産を売却して、その代金からお金を回収できる権利です。
  • 極度額:根抵当権で担保される借入金の上限額のことです。
  • 債権者:お金を貸した側のことです。今回のケースでは、債権回収会社が該当します。
  • 債務者:お金を借りた側のことです。兄の会社が該当します。
  • 物上保証人:債務者の借金を担保するために、自分の不動産に抵当権を設定した人のことです。今回のケースでは、土地を所有しているあなたが該当します。

今回のケースでは、あなたの土地が兄の会社の借金の担保として使われています。これは、あなたが「物上保証人」となっている状態です。もし兄の会社が返済できなくなると、債権者はあなたの土地を売却して、そこからお金を回収しようとします。

今回のケースへの直接的な回答:極度額の返済で抵当権は外れる?

結論から言うと、極度額である1200万円を返済すれば、根抵当権を抹消できる可能性があります。

根抵当権は、極度額を上限として、様々な債権を担保します。債権回収会社からの通知に「物上保証分は極度額の範囲で返済すれば良い」と記載されている点も、これを裏付けています。

ただし、注意すべき点があります。それは、

  • 延滞金や損害金が、極度額の範囲内に収まっているかどうか
  • 他に担保されている債権がないか

ということです。これらの点を確認するために、債権回収会社に詳細な債務の内訳を確認し、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

関係する法律と制度:根抵当権に関する法的側面

根抵当権に関する主な法律は、民法です。民法では、根抵当権の仕組みや、債務者が返済できなくなった場合の処理などが定められています。

今回のケースで重要となるのは、民法398条です。この条文は、根抵当権の被担保債権(担保される債権)の範囲について定めています。一般的に、根抵当権は、極度額の範囲内で、元本、利息、遅延損害金などを担保します。

つまり、極度額を超えない範囲であれば、利息や遅延損害金も根抵当権で担保されることになります。今回のケースでは、1200万円の極度額に対し、1600万円の債務があるため、極度額を超えている可能性があります。この場合、1200万円を支払えば、根抵当権を抹消できる可能性が高いと考えられます。

しかし、債権回収会社との交渉や、具体的な手続きは、法律の専門知識が必要となるため、弁護士に相談することをお勧めします。

誤解されがちなポイント:極度額だけ払えば良い?

根抵当権に関する誤解として多いのは、「極度額だけ支払えば、すべての債務がなくなる」というものです。これは、必ずしも正しくありません。

根抵当権は、あくまでも「担保」であり、債務そのものを消滅させるものではありません。極度額を支払うことで、根抵当権は抹消されますが、債務自体は残っている可能性があります。

今回のケースでは、1600万円の債務のうち、極度額である1200万円を支払ったとしても、残りの400万円の債務は残る可能性があります。ただし、物上保証人であるあなたは、土地の価値を上限として責任を負うため、土地を手放すことで、残りの債務については責任を免れることができます。

また、債権回収会社との交渉次第では、残りの債務を減額できる可能性もあります。例えば、土地の売却価格が1600万円を下回る場合、債権回収会社は、残りの債務を放棄する可能性があります。

実務的なアドバイスと具体例:債権回収会社との交渉術

債権回収会社との交渉は、専門的な知識と経験が必要となるため、難しい場合があります。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、有利に進めることができます。

  • 債務の内訳を明確にする:まずは、債権回収会社に、債務の内訳(元本、利息、遅延損害金など)を詳細に提示してもらいましょう。
  • 弁護士に相談する:弁護士に相談することで、法的なアドバイスを受け、交渉を有利に進めることができます。
  • 任意売却を検討する:任意売却とは、債権者の同意を得て、不動産を売却することです。任意売却を行うことで、高値で売却できる可能性があり、残債を減らすことができます。
  • 競売を回避する:債権回収会社が、あなたの土地を競売にかける可能性があります。競売になると、相場よりも低い価格で売却される可能性が高く、残債も多くなる傾向があります。任意売却をすることで、競売を回避することができます。
  • 和解交渉をする:債権回収会社と和解交渉を行い、債務の減額や分割払いを認めてもらうことも可能です。

例えば、土地の売却価格が1500万円の場合、1200万円を支払うことで根抵当権を抹消し、残りの300万円を債権回収会社と分割で支払う、といった和解案が考えられます。

専門家に相談すべき場合とその理由:弁護士と司法書士の役割

今回のケースでは、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、法律の専門家であり、あなたの権利を守るために、様々なサポートをしてくれます。

弁護士に相談することで、

  • 債務の内訳の確認
  • 債権回収会社との交渉
  • 任意売却の手続き
  • 和解交渉
  • 訴訟対応

など、様々なサポートを受けることができます。

司法書士も、不動産に関する専門家ですが、主に登記手続きを専門としています。根抵当権の抹消登記は、司法書士に依頼することができます。

今回のケースでは、債権回収会社との交渉や、法的な判断が必要となるため、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士に依頼する際には、不動産問題に詳しい弁護士を選ぶようにしましょう。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のケースでは、あなたの土地に設定された根抵当権を抹消するために、いくつかの重要なポイントがあります。

  • 極度額である1200万円を支払うことで、根抵当権を抹消できる可能性が高い。
  • 債権回収会社に詳細な債務の内訳を確認する。
  • 弁護士に相談し、法的なアドバイスとサポートを受ける。
  • 任意売却や和解交渉を検討する。

兄の失踪という状況で、大変な状況かと思いますが、諦めずに、専門家と協力して、問題を解決していきましょう。

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