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兄弟で相続した土地の分筆と路線価:相続税評価と土地の価格調整について徹底解説

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路線価の高い南側を相続した場合、路線価の差額(20万円/坪)を兄弟間で調整する必要があるのかどうかが知りたいです。法律上、何か手続きが必要なのでしょうか?
土地分筆とは、一つの土地を複数の土地に分割することです(登記簿上の変更手続き)。相続によって土地を共有する際に、それぞれの相続人が使いやすいように分筆することがよくあります。路線価とは、国税庁が毎年公表する、土地の評価額を示す指標です。路線価は、土地の場所(地番)ごとに設定され、その土地の価格を推定する際に用いられます。路線価は、土地の立地条件、地目の種類、形状など様々な要素を考慮して算出されます。今回のケースでは、南側と北側で路線価に差があるのは、立地条件の違い(例えば、道路へのアクセス、日当たり、周辺環境など)が影響していると考えられます。
相続税の評価において、土地の評価額は原則として路線価を用いて計算されます。しかし、相続税評価において高い方の路線価を適用する、という税務署の説明は、正確には「相続税評価額は、分割後の各区画の路線価を考慮して算出される」という意味です。兄弟間で土地を分筆したとしても、それぞれの区画の路線価が異なる場合、相続税評価額は、それぞれの区画の路線価を基に算出されます。したがって、路線価の高い南側の土地を相続したからといって、路線価の差額を兄弟に支払う法的義務はありません。
相続税の評価に関する法律は、相続税法です。相続税法では、相続財産の評価方法が定められており、土地の評価には路線価が用いられることが一般的です。ただし、路線価が現実の価格を反映していないと判断される場合は、路線価以外の方法で評価することもできます(例えば、鑑定評価)。また、土地の分筆は、不動産登記法に基づいて行われます。
「相続税評価は高い方の路線価を適用する」という説明は、誤解を招きやすい表現です。これは、分筆後の土地の評価が、それぞれの区画の路線価に基づいて行われることを簡略的に説明したものであり、分筆前の土地全体の路線価を適用するという意味ではありません。
兄弟間で公平に土地を分割するためには、路線価だけでなく、土地の形状、地盤の状態、日当たり、接道状況なども考慮する必要があります。専門家の意見を聞きながら、話し合いの上で分割方法を決めることが重要です。例えば、面積を均等に分割するのではなく、路線価の差を考慮して、南側の面積を小さく、北側の面積を大きくするといった方法も考えられます。
土地の分筆や相続税の評価は、専門的な知識が必要なため、複雑なケースやトラブルを避けるために、税理士や不動産鑑定士などの専門家に相談することをお勧めします。特に、土地の価値に大きな差がある場合や、相続人が複数いる場合は、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
相続税評価において、土地を分筆したからといって、路線価の差額を兄弟間で調整する法的義務はありません。しかし、公平な分割を行うためには、路線価だけでなく、様々な要素を考慮する必要があります。複雑なケースでは、専門家への相談が有効です。相続はデリケートな問題です。兄弟間で良好な関係を維持しながら、円満に解決するためにも、専門家の力を借りながら進めることをお勧めします。
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