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兄弟共有のアパート、一方の勝手に売却を阻止する方法|共有名義の落とし穴と法的対策

【背景】
兄と二人で共同でアパートを所有しています。 相続で取得したものです。 最近、兄が勝手に不動産業者にアパートを売却しようとしていることがわかりました。 私は兄の判断に納得できず、売却を阻止したいと思っています。区分所有(建物の一部を個別に所有する権利)も分筆(一つの土地を複数の土地に分けること)も考えていません。

【悩み】
兄が勝手にアパートを売却しようとしていますが、それを阻止する方法はあるのでしょうか? 法律的にどのような対応が可能なのかを知りたいです。 兄弟仲が悪くなるのが心配ですが、私の権利を守りたいです。

共有物分割請求訴訟で売却を阻止できます。

1. 共有名義と共有物の基礎知識

不動産を複数人で所有する状態を「共有名義」(共同所有)といいます。 今回のケースでは、質問者さんとご兄弟でアパートを共有しています。 共有する権利は、各共有者(質問者さんとご兄弟)が全体に対して一定の割合で所有する権利です。 共有持分(全体の何%を所有しているか)は、特に合意がない限り、法的には等分(この場合、それぞれ50%)となります。

共有物件の処分(売却など)には、原則として**全共有者の同意**が必要です。 一方の共有者だけで勝手に処分することはできません。 これは民法(日本の私法の基本法)で定められています。

2. 今回のケースへの直接的な回答

兄が勝手にアパートを売却しようとしている場合、質問者さんはそれを阻止する法的権利を持ちます。 具体的には、**共有物分割請求訴訟**(共有者が共有物を分割することを求める訴訟)を起こすことができます。

3. 関係する法律や制度

関係する法律は主に民法です。 民法第257条では、共有物の管理や処分について、共有者の過半数の同意が必要と定められています。 今回のケースでは、兄の一方的な売却は、この規定に違反します。 また、裁判所は、共有物分割請求訴訟において、共有物の売却を命じる判決を出すことができます。

4. 誤解されがちなポイントの整理

「兄弟だから話し合えば何とかなる」と安易に考えていると、事態が悪化する可能性があります。 話し合いがうまくいかない場合、法的な手段を取ることを検討する必要があります。 また、不動産業者も、共有名義であることを知っていながら、一方の共有者だけと売買契約を結ぶことは、法律上問題がある可能性があります。

5. 実務的なアドバイスや具体例の紹介

まず、兄と話し合い、売却の意図や理由を丁寧に確認しましょう。 話し合いの記録を残しておくことが重要です。 話し合いが不調に終わった場合、弁護士に相談し、内容証明郵便(証拠として残る書面)で売却の差し止めを求めることができます。 それでも解決しない場合は、共有物分割請求訴訟を提起する必要があります。 訴訟では、裁判所に共有物の分割方法(売却による分割など)を判断してもらいます。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

話し合いが難航したり、法的な手続きに不安を感じたりする場合は、弁護士に相談することをお勧めします。 弁護士は、法律に基づいた適切なアドバイスとサポートを提供してくれます。 特に、訴訟に発展した場合、弁護士の専門知識は不可欠です。 不動産に関する専門知識を持つ弁護士を選ぶとより効果的です。

7. まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

共有名義の不動産は、全共有者の同意なく一方的に処分することはできません。 兄の一方的な売却を阻止するには、話し合い、内容証明郵便、そして必要であれば共有物分割請求訴訟という手段があります。 早期に弁護士に相談することで、自分の権利を守り、事態の悪化を防ぐことができます。 兄弟関係を維持しつつ、冷静に、そして適切な法的措置を検討することが重要です。

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