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兄弟間金銭貸借と相続放棄:債権回収の可否とリスク回避策

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兄弟間での金銭貸借で、借り手が亡くなり相続人が相続放棄した場合、貸したお金は回収できないのでしょうか? 相続放棄されてもお金を回収できる方法があれば知りたいです。銀行のローンとは何が違うのでしょうか?
兄弟間での金銭貸借は、民法上の「債権」(債務者から債権者への金銭支払義務)という契約関係に基づきます。銀行ローンと同様に、貸した側(債権者)には、借りた側(債務者)からお金を回収する権利があります。しかし、銀行ローンには保証協会などが介入するケースが多く、債務者の死亡や相続放棄があっても、保証協会が債務を肩代わりすることが一般的です。一方、兄弟間の貸借には、そのような保証がないことが多いため、債務者の死亡・相続放棄によって債権回収が困難になる可能性があります。
相続人が相続放棄した場合、原則として相続財産(借金を含む)は相続人に帰属しません。しかし、債権は相続財産の一部ではなく、債務者の財産に属するものであり、相続放棄によって消滅するわけではありません。そのため、債権者(貸した側)は、債務者の相続財産の中から債権を回収しようとすることができます。ただし、相続財産が債務を弁済できるほど十分にあるかどうかが鍵となります。
このケースは、民法上の相続、債権、相続放棄に関する規定が関係します。具体的には、民法第900条(相続の開始)、民法第915条(相続放棄)、民法第406条(債権の譲渡)などが該当します。専門的な法律用語は理解しづらいかもしれませんが、重要なのは、相続放棄は債権そのものを消滅させるものではないということです。
相続放棄は、相続人が相続財産を受け継がないことを宣言する行為です。しかし、これは債権者(貸した側)の債権を消滅させるものではありません。債権は、債務者の遺産から回収を試みる必要があります。 相続放棄と債権の消滅を混同しないように注意が必要です。
兄弟間であっても、金銭貸借を行う際には、必ず「借用書」(債務者が借金を認める書面)を作成しましょう。借用書には、貸借金額、貸付日、返済期限、利息などを明確に記載することが重要です。また、金銭の授受を証明する証拠(振込明細書など)も残しておくべきです。これらの証拠は、債権回収をスムーズに進める上で非常に役立ちます。
相続放棄後の債権回収は、法律的な知識や手続きが必要となる複雑な問題です。債務者の財産状況が不明瞭な場合、複数の相続人がいる場合、遺産分割協議が複雑な場合などは、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、適切な手続きをアドバイスし、債権回収の可能性を高めることができます。
兄弟間の金銭貸借において、借り手が亡くなり相続人が相続放棄をしたとしても、債権が消滅するわけではありません。借用書などの証拠をしっかり残し、債務者の相続財産から債権回収を試みることは可能です。しかし、手続きが複雑なため、必要に応じて弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。 事前に適切な手続きをとることで、後々のトラブルを回避できることを覚えておきましょう。
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