公正証書遺言と現金相続：不動産以外の遺産分割方法を徹底解説！

【背景】
父が亡くなり、公正証書遺言が残されました。遺言書には、所有不動産の一部を除く全ての遺産を兄に相続させる旨が記載されています。その「全て」には、多額の現金や預貯金も含まれています。

【悩み】
遺言書通り、兄が不動産以外の全遺産を相続することになりますが、私にも現金の一部を分けてもらう方法はありますか？遺産分割協議書以外で、何か方法があれば知りたいです。

遺言内容に従い、現金の分割は難しいでしょう。協議が必要となる可能性が高いです。

公正証書遺言と遺産分割の基礎知識

公正証書遺言（こうせいしょうしょゆいごん）とは、公証役場（こうしょうやくば）で作成される遺言書です。法律で定められた厳格な手続きに基づいて作成されるため、偽造や改ざんの危険性が低く、法的効力が非常に強いのが特徴です。遺言の内容が明確であれば、相続人（そうぞくじん）は、その内容に従って遺産を相続しなければなりません。

今回のケースでは、公正証書遺言で「不動産の一部を除く全ての遺産」を兄に相続させる旨が記されています。この「全ての遺産」には、現金や預貯金なども含まれると解釈するのが一般的です。

今回のケースにおける現金の相続

遺言書に「全ての遺産」と明記されている以上、原則として、現金を含む全ての遺産は兄が相続することになります。質問者様が現金の一部を受け取るには、遺言書の内容を覆す必要があります。

誤解されがちなポイント：遺留分

相続人には、遺言で相続分がゼロにされても、最低限相続できる割合（遺留分（いりゅうぶん））が法律で保障されています。しかし、遺留分を主張するには、一定の条件を満たす必要があり、今回のケースでは、遺言書の内容と遺留分の関係性を慎重に検討する必要があります。

実務的なアドバイス：遺産分割協議

質問者様が現金の一部を受け取るには、兄と遺産分割協議（いさんぶんかつきょうぎ）を行うのが現実的な方法です。協議において、兄が質問者様に現金の一部を譲渡することに合意すれば、その合意に基づいて遺産分割を行うことができます。ただし、兄が合意しない場合は、裁判による解決も考えられます。

専門家に相談すべき場合

遺言書の内容が複雑であったり、遺留分を主張する必要がある場合、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスと手続きのサポートをしてくれます。特に、遺留分に関する判断は法律の専門知識が必要なため、自己判断は危険です。

まとめ：公正証書遺言の厳格性と遺産分割協議の重要性

公正証書遺言は法的効力が強く、その内容に従って遺産分割が行われるのが原則です。しかし、相続人全員が納得できる結果を得るためには、遺産分割協議が重要になります。専門家の力を借りながら、円満な解決を目指しましょう。特に、現金などの具体的な遺産の分割については、弁護士や司法書士に相談することで、トラブルを未然に防ぎ、よりスムーズな手続きを進めることができます。